[Japan In-depthチャンネル ニコ生公式放送リポート]【戦場ジャーナリストは何故必要か】~情報の受け手にも覚悟が必要~
Japan In-depth / 2015年4月18日 11時0分
また、ISILの人質画像を使って面白半分のアイコラ画像が作られ、ネット上で拡散されていることに関し、「ISILは現場にいたら鳥肌が立つくらい怖い。インターネット上だから怖さがわからないでやっている」と軽率な日本人をたしなめた。
日本では自己責任論なども出ているが、何故テレビ局などの大手メディア社員は現場に入らず、フリージャーナリストばかりが戦地へ向かうのか。その理由について、元フジテレビの安倍編集長は、「フジテレビでも過去に記者が何人か亡くなっている。テレビ局は社員を守りたがる。いつの間にかフリーのマーケットができて、フリーの人に行ってもらおうという流れになった。」と話した。
しかし、最近では一部の海外メディアの中には、フリーのジャーナリストが人質になるリスクを減らすためにも、彼らから映像を買うのはやめようという動きも出てきている。しかし、久保田氏は「誰かが行かないと、非人道的なことが行われているということが伝わらない」と強い口調で述べた。
戦場で命を落とした海外のジャーナリストの遺族が、これからも戦場にジャーナリストが行くべきだと述べている例もある。非人道的なことが行われているということを誰かが行って伝えなければいけないが、誰が伝えるのか。これからの大きな課題となる。
ベトナム戦争の頃は、ジャーナリストと医療従事者は攻撃のターゲットにはならなかった。しかし、今はジャーナリストが標的になる時代だ。久保田氏は「時代が違ってちょっと難しい」と話し、安倍編集長は議論の重要性を述べた。危険を侵して戦地へ赴くことは正しいのか、難しい問題だ。番組内のアンケートでも、ジャーナリストが危険地帯で取材をすることについて、賛成と反対がほぼ半々だった。
今、確実に言えることは、彼らが命を懸けて伝えようとした情報を、私たちがきちんと受け取ることが大切だということだ。名古屋でモスクが嫌がらせを受けるという事件があったが、きちんとISIL(イスラム国)について報道されず、イスラム全般に対するイメージが悪くなってしまったという要因がある。今からでもメディアはきちんと報道し、私たちもより関心を持ってこの問題に向き合う必要があるだろう。
(この記事は、ニコ生「Japan In-depthチャンネル」2015年2月11日放送の内容を要約したものです)
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