[遠藤功治]【精密金型の秘密は3Dプリンター】~“キラリと光るダイヤモンドの原石企業”富山県編2~
Japan In-depth / 2015年4月18日 18時0分
富山県にある、三光合成のKEY WORDSは、「精密金型・3Dプリンター・M&A」です。プラスチック成型品は金型を使って成型しますが、この金型を生産する企業が日本からめっきり少なくなってしましました。産業の米とも言われる金型、一時期の超円高で採算性が大幅に低下、倒産や海外メーカーへ売却されたところも多いのですが、子の会社はプラスチック成型をする際の金型を自分で製造しています。それも精密金型で、数十の部品からなる精密品。金型の中に複雑怪奇に冷却用の管が通っている芸術品です。この金型の一部を、昨年に導入した3Dプリンターで生産しているのです。
3Dプリンター、今や超注目製品となりましたが、経済産業省からの補助金を利用し、昨年1台を購入。3Dプリンターと言ってもピンからキリまであるのですが、当社の導入品は1億円近い値段のする最高級品。レーザー焼結によってレア(層)を1枚1枚重ね上げて作っていきます。
従来のように、大きな金属の塊を彫刻のように削って作るのではなく、全くその反対。砂浜で山を作るような具合に、何もないところに、粉末の金属で形を積み重ねて作り上げる方式です。これだと、今までの製法では製作が難しかった、金型の中の微細かつ複雑な管の成型も出来るようになります。また、金型表面の凹凸や磨き、完成までの早さなども従来より3割方アップします。
そして最後のKEY WORDSがM&A。日本の会社は最近になってようやくM&Aに積極的になってきましたが、当社も今年2月に積水工機をTOB、4月に入って米国のプラスチック部品会社、BAHRを買収と、積極的にM&Aによる業務の拡大を進めています。
M&Aは他の文化を入れると言う点で、融合が難しいという問題もありますが、一方で、“時間と技術・市場・顧客”を一気に手に入れるというメリットもあります。富山の小さな会社が、この2社のM&Aを通して、金型ビジネスの拡大と、米国市場の拡販を狙うことに対して、市場は友好的に反応、足元の株価は急上昇しています。
今回は富山のそれも南砺市という、あまり名の知られていない地域に立地する、プラスチック成型・金型メーカーを取り上げました。地方で活躍するダイヤモンドの原石のような企業、地方創生にからみ、今後も応援の一貫として、取り上げて行きたいと思います。
次回は、広島に飛び、「ダイキョ―ニシカワ」というマツダ系列の自動車部品会社を取り上げる予定です。
(この記事は、【精密金型であらゆるプラスチック部品を作る】~“キラリと光るダイヤモンドの原石企業”富山県編 1~
の続きです。全2回)
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