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[安倍宏行] 【驕るな政府与党、委縮するなテレビ】~自民党がテレ朝、NHKをヒアリング~

Japan In-depth / 2015年4月20日 16時0分

テレビ局全体にというよりテレ朝に対して、警告を発した、という意味合いが強いのではないか。なにせ、テレ朝には椿事件(注1)という前科がある。自民党にはその記憶がまだ色濃く残っているのだろう。

にしても、こうして与党が騒ぎ立てることはちょっと異常だと感じる。NHKと日本民間放送連盟が作った「放送倫理・番組向上機構」(BPO)に、政府が関与する動きもあるという。圧倒的多数を持っていると権力は奢るものだ。これくらいやってもいいだろう、と高をくくっていると、「やりすぎだ」と世論のしっぺ返しを受けることになろう。多くの有権者はスィングボーターズ=無党派票なのだ。自民批判票が共産党に流れているという現実もある。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」「驕る平家は久しからず」、だ。

こうした論調が新聞・雑誌・ネットだけでなされるのではなく、地上波の番組でも出てこないと、「テレビ局は委縮などしていない」と主張してきた筆者も「本当に委縮しちゃったの?」と言わざるを得ない。そうならないことを祈るばかりだ。

 

(注1)椿事件

1993年、当時テレビ朝日の椿貞良取締役報道局長(当時)が日本民間放送連盟(民放連)会合で、反自民の連立政権が出来るような報道をするよう報道局に指示した、と発言したことが公になり、放送法違反による放送免許取消し処分が本格的に検討された事件。椿氏は衆議院に証人喚問された。最終的にテレビ朝日の免許取り消しはなかった。

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