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[Japan In-depth 編集部]【官民協働で特別養子縁組を推進】~日本初のパイロットプロジェクト、横須賀で発進~

Japan In-depth / 2015年4月22日 15時39分

[Japan In-depth 編集部]【官民協働で特別養子縁組を推進】~日本初のパイロットプロジェクト、横須賀で発進~



4月15日、新たな投資ビジネスモデルの試みが発表された。日本財団で行われた記者会見にて紹介されたパイロットプロジェクト、「ソーシャル・インパクト・ボンド」(略してSIB)は、行政が社会的課題を対象とする事業を、民間投資を活用し実施するすという日本初の試みだ。

投資側となる日本財団と行政側の横須賀市がチームとなり、特別養子縁組(注1)の推進に取り組む事業である。来年の3月までに4人の特別養子縁組の成立が目標とされ、日本財団は事業費の約1900万円を全額負担するという。

18歳までファミリーホームや施設などで暮らせば4人でおよそ3530万円の経費がかかるとされ、当事業の目標が成立すれば、行政収支は約1630万円節約となる計算だ。

当日の会見で、日本財団の理事長の尾形武寿氏は、「SIB導入の成果に期待し、日本でもこの初の試みが成功したら、社会課題の解決に向け正にインパクトを与えるプロジェクトになるのではないかと思います」と述べ、この試験的事業の可能性に期待を寄せた。

事業リスクを民間の投資家が負担し、自治体の公的コストの削減が期待されるSIBは、2010年にイギリスで始まって以来、アメリカ、カナダ、オーストラリアや韓国ではすでにこの官民連携投資モデルが取り入れられている。

海外主要国と比べ日本では、産みの親が育てることのできない子どもの行き先は圧倒的に施設優先である。社会的養護を必要とする子どもが全国におよそ4万人いるうち、その約85%が施設で暮らしているという。しかし、そういった施設で育っていく子ども達は、下記の様な問題の壁に直面している。

1)学習の遅れ 2)施設退所後の自立の難しさ 3)愛着障害

横須賀市の吉田雄人市長は養子縁組や里親希望者が急増している中、「新しい事を何かやろうとしても、行政は失敗のリスクの責任を引き受けることができない」と行政側の問題点を指摘。そうした事態を踏まえ、市として、里親家族の育成に重点を置くと共に、特別養子縁組の制度に力を入れてくことにした強調した。SIBプロジェクト導入により、特別養子縁組の体制改善の実現と普及を日本全国で推進させていければと訴えた。

当パイロット事業の運用は行政、社会的投資家、NPO等非営利組織、評価機関などの連携により行われる。当プロジェクトは以下のように役割分担されている。

行政→横須賀市

中間支援組織→日本財団

投資家→日本財団

課題解決をより実施する専門の非営利組織→NPO団体ベアホープ

プログラムの進捗、目標、成果の評価アドバイザー、独立評価機関、など。

最終的に独立評価機関がプログラムの目標達成を評価し、成果を判断するといった仕組みとなっている。日本初上陸とされるSIB。この先一年のトライアル期を経て、本格的運用に移行するという。プロジェクトの進捗を見守りたい。

 

注1) 原則として6歳未満の子どもの福祉のため特に必要があるときに、子どもとその実親側との法律上の親族関係を消滅させ、実親子関係に準じる安定した養親子関係を家庭裁判所が成立させる縁組制度です(6才未満から事実上養育していたと認められた場合は8才未満まで可能)。そのため、養親となる者は、配偶者があり、原則として25歳以上の者で、夫婦共同で養子縁組をする必要があります。 また、離縁は原則として禁止です。(日本財団ハッピーゆりかごプロジェクトより引用。 http://happy-yurikago.net) 

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