[文谷数重]【「ドローン規制」に有効性無し】~必要なのは施設側の警備強化~
Japan In-depth / 2015年4月24日 11時0分
通信系も入手容易である。見通し距離なら5GHzの無線LANで充分であり、いざとなれば電話回線とスマホそのものでもよい。動力部分もモーターとリチウム電池とプロペラに過ぎない。これも汎用品であり、販売制限も意味を持たない。
そもそもドローンだけを禁止しても仕方がない。ラジコンを改造しても作れるし、鳥を訓練しても代用できる。条件付けしたカラスに、電極とカメラ付きスマホをつければ、今回のセシウム程度は運べる。これはネズミでの先行例がある。本格テロをやるつもりならば、風船による人間の直接侵入もできない話ではない。
■ 必要なのは施設防護の強化
むしろ、必要なのは施設側の警備強化である。まずは、防護強化である。ドローンそのものが危険なわけではない。ドローンに積まれた危険物が怖いのである。それならば、危険物が通用しない建物にしたほうが確実である。
ドローンに積める危険物は、たかが知れている。少量の毒ガスや放射性物質ならば、空調系の空気取入口の位置と吸気方向の変更で対処できる。少量の爆薬や体当たり防止ならば、窓ガラスの飛散防止や重要区画の無窓化で対抗できる。ドローン侵入防止はさらに簡単であり、開口部に網を張るだけよい。
その上で、ドローンの接近も阻止したいのならば、阻止手段を準備すべきである。妨害電波のジャミングによる操縦側との通信妨害や、カメラの目潰しや灼ききりを狙ったレーザ照射といったものだ。あるいは鷹匠と鷹でドローンを落とす準備でもよい。
■ 法的規制は効果がない
法的規制は効果は少なく、むしろドローンの有効利用の妨げとなる。今のところは撮影や調査、監視で限定使用されたものだが、いずれは軽輸送や通信中継、空中配線といった用途に使われる。各種の法規制は、穏当な利用に無駄なハードルを課すものであり、害の多い規制となるのである。
-
-
- 1
- 2
-
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
[誰のための原発か]検証 テロ対策編<1>―不祥事<上>軽視された脅威、攻撃・盗難から核物質を守る文化「存在したのか」 東京電力柏崎刈羽原発の新潟から問う
新潟日報 / 2024年6月24日 11時55分
-
アングル:国境の橋で見る「明暗」、米バイデン政権の移民対策強化
ロイター / 2024年6月24日 11時46分
-
ロシア軍の焦り、衛星画像で明らかに 「重要インフラ」周辺の防備強化か ズラリと並べたモノの正体は
乗りものニュース / 2024年6月21日 15時12分
-
話題の富士山映えスポット「夢の大橋」の“現実”…急増する外国人やトラブルに地元は困惑(静岡・富士市)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年6月13日 17時45分
-
上空から「ワンワン」と音声 植物食い荒らすシカを追い払うのは「ドローン」
まいどなニュース / 2024年6月2日 16時0分
ランキング
-
1粗大ごみから出た現金を職場懇親会に流用、黙認した処理施設係長を懲戒処分
読売新聞 / 2024年6月29日 15時48分
-
2台湾から「能登応援」被災1万世帯超に見舞金 NGO団体が配布開始
産経ニュース / 2024年6月30日 7時0分
-
3瑠奈被告「私の首を絞めることが責任だ」父親「私は誰も殺しません。私にはできません」約3年間の“狂乱”の音声データ、証拠として提出…犯行認識は「おじさんの頭を持って帰ってきた」の後、娘に従うしかなかった関係を父親証言へ ススキノ首切断事件
北海道放送 / 2024年6月30日 7時11分
-
4マンションで男女死亡 腹部に刺し傷、無理心中か
共同通信 / 2024年6月29日 21時46分
-
5面識のない男性を“結婚相手”と思い込んだか 男性の部屋に侵入した40代の女を現行犯逮捕
STVニュース北海道 / 2024年6月30日 10時28分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)