[遠藤功治]【進む海外移転、部品メーカーにも試練】~ “キラリと光るダイヤモンドの原石企業” 広島県編 2~
Japan In-depth / 2015年4月25日 23時0分
(この記事は、【急回復マツダが頼る有力部品メーカー】~ “キラリと光るダイヤモンドの原石企業” 広島県編 1~ の続きです。全2回)
最近の自動車は燃費競争がし烈化、ハイブリッド車だ、燃料電池車だ、と新しいパワートレインが出る一方で、特に軽自動車などは車体の軽量化に取り組んでいます。車体が軽ければ軽いほど、燃費効率が良くなるという訳です。その一つの方法が、鉄からアルミへの変更、そして更に、プラスチック部品の多様化です。将来は航空機同様、炭素繊維が多用されると推測されますが、現状ではまだまだ高価であり、一部のスポーツカー以外では、多用される状況ではありません。
2014年6月にダイハツから軽自動車のスポーツカーである、“コペン”の新型が投入されました。この車は、ドア以外の外板が殆ど全てプラスチックで出来ている、量販車としては最初の車です。そのプラスチックの外板は、全てダイキョーニシカワが生産しています。外板全てではないにしても、やはりダイハツの“タント”や“ウエイク”などは、バックドアが全てプラスチックで出来ています。やはりこの会社の製品です。
以前は、衝突安全性や耐久性に難があり、またその形状も様々なものがあり、量産には向いていませんでしたが、ダイキョーニシカワが自動車メーカーと共同作業で、量販化に成功しました。鉄製のドアなどは非常に重いですが、これがプラスチック製に置き換わったことで、重量低減と燃費向上に大きく貢献しました。
実はこの会社、元々マツダの系列下請け会社2社が合併して出来たこともあり、売上の大半がマツダ向けでしたが、今では、ダイハツ向けが全体の10%強となり、マツダ向けは全体の70%程度まで低下しています。
プラスチック成型の自動車部品会社として紹介しましたが、実はこの会社、分類としては化学会社なのです。プラスチックの大本はポリプロピレンですが、その材料は多枝に渡り、数十種類の材料を調合して様々な性質を持ったプラスチックを生産します。
その材料自体からこの会社は生産をしています。他のプラスチック部品会社とは違い、材料自体を自分で生産することで、付加価値を高めている訳で、営業利益率が8%と比較的高い理由もここにあります。
メディアはいかにマツダという会社が、ドラマチックに変革を遂げたかを称賛しています。確かに、SKYACTIVエンジンを引っ提げ、CX-5、アテンザ、アクセラ、デミオ、CX-3、そしてロードスターと、新車の先進性、環境対応技術、デザインなど、革新的な変革を遂げた自動車メーカーです。
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