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[齋藤実央]【欧州の「インクルーシブ」教育とは】~移民受け入れに備える日本が学べること

Japan In-depth / 2015年5月3日 23時0分

 

フランスのケースと比較すると、他の生徒たちと「分離」こそされていないものの、十分に英語を理解できないまま「物理的統合」をされているにすぎないため、授業を理解できず学習に遅れを取り、結果的に社会的排除に繋がるリスクを孕んでいる。

 

このように、移民の子どもたちへのサポートは、言語教育ひとつを例に取っても課題が多いものの、効果が期待される実践例もいくつかある。たとえば、比較的移民受け入れの歴史の浅いフィンランドの学校では、身体を動かしながら学べる美術、体育、音楽などの授業は通常クラスの生徒と一緒に学び、言語習得のレベルに合わせて他の科目の授業にも徐々に参加していく、というアプローチが試されている。

 

また、グループワークを通じて生徒が共に教え合う協働学習の持つ可能性も、各国であらためて注目されている。「分離」でも「同化」でもない、多文化共生社会における“インクルーシブ(包摂的)な教育”の追求は、これからも続いていくであろう。日本も、欧州各国が経験してきた課題や成功例から学び、移民受け入れの議論の中で生かしていかなければならない。

 

【添付写真】筆者が訪れたイギリスの公立小学校。クラスの半数が、中東やアフリカなど他国から移住してきた生徒。 

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