[須藤史奈子]【政府の支援が地方の村まで届かない】~ネパール大地震 現地リポート~
Japan In-depth / 2015年5月3日 23時15分
「ヘリコプターはないのですか?」 「お金を出せは雇える。カトマンズからだと大体3000ドルくらい。それで400キロの物資が運べる。」 「政府のヘリコプターは?」 「政府?ここには政府は存在しない、と思っていいよ。」 「他にも、寺院や学校など、修理が必要なものが多いが、政府からお金はまわってこないだろう。だから、お金を自分たちで調達しなければならないが、資金は限られているから元通りになるのに時間がかかるだろう。寺院は心の拠り所としてだけでなく、集会場としての役割を持つ。それが今、なくなってしまった状態だ。」
聞き方を変えてみた。「私たちには一体何ができるのでしょうか?」 「もし寄付を考えてくれているのなら、大きな団体に寄付するのではなく、村の自治会の銀行口座に振り込んで欲しい。ネパール政府にお金を渡しても、土に水をかけるようなものだろうから」 では、その自治会は、本当に信用できるのだろうか?自分の体験談を話すと、まず、前出の回覧板の件を聞く限り、お金の流れは透明なようだ。
もうひとつの体験談。インタビューを終え「何かできることがあたら遠慮なく言ってください」とペンバさんに伝えると同時に若者のグループがやってきた。どうやら、ペンバさんが所有するネットカフェのコンピューターを貸して欲しいという事らしい。ペンバさんが私の方を向いて「もし手助けをしたいということなら、英語で支援金募集の文句を書いてあげてくれるかい?」 「もちろん!」私は若者のグループと共に1階のネットカフェへ。ターメ村の青年代表ミンマさんのフェイスブックのページに支援金募集の情報を英語で打ち込んだり、写真を選んで入れたりなど作業をしていたら、後ろにどんどん人が集まってきた。銀行口座の数字が間違っていないかとか(ネパールの「1」は「9」に見える)、写真はこっちの方が良いのではないか、とか。一致団結しているのが、ひしひしと伝わってきた。
世界中で募金活動が行われている。ニューヨークでも、私がメディアのボランティアをしている団体、FGFH(ファッション・ガールズ・フォー・ヒューマニティ)が、オークションを予定している。 今月いっぱい、ネパールへの送金手数料タダというキャンペーンをしている金融機関もあると聞いた。支援金を寄付するのであれば、地域に密着している団体や、自治体に直接行うという選択もあるかもしれない、と考えさせられた。
(注:この記事は震災直後の現地の人たちへのインタビューをベースにしています。募金や寄付はあくまで個人の判断で行うようお願い致します。)
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
10月1日、がん支援の寄付に向け社員が自転車走行するチャリティバイクイベント「C2C4C」がいよいよスタート!
PR TIMES / 2024年9月25日 11時0分
-
ハマスは残酷なテロ組織なのか? 日本人が知らない社会慈善運動…ガザの社会インフラがハマスによって支えられてきた事実
集英社オンライン / 2024年9月13日 8時0分
-
免許返納をきっかけに乗らなくなった車を「寄付する」という前向きな選択肢の提案
PR TIMES / 2024年9月9日 12時45分
-
悪質ブリーダーに多頭飼育崩壊…、知らなかった保護猫の世界「救うためには『お金、人、場所』が必要」
ORICON NEWS / 2024年9月9日 8時10分
-
「パラ中継すればいいのに」高まる『24時間テレビ』不要論、スポンサー募金箱は“ゴミ箱化”
週刊女性PRIME / 2024年8月31日 7時30分
ランキング
-
1中国大使「深圳の事件、冷静に対処する」 都内で中国建国75年レセプション
産経ニュース / 2024年9月26日 19時23分
-
2中国、海自艦の台湾海峡通過めぐり「政治的な意図を警戒」 中国外務省報道官が表明
産経ニュース / 2024年9月26日 17時36分
-
3香港ネットメディア前編集長に禁錮1年9月…報道を「扇動」と判断、香港返還後で初
読売新聞 / 2024年9月26日 23時45分
-
4ウクライナに1兆円超支援 米、来月独で首脳会合主催
共同通信 / 2024年9月26日 22時47分
-
5ノルウェー、39歳男を国際手配 ヒズボラの爆発ポケベル販売巡り
ロイター / 2024年9月27日 2時51分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください