[細川珠生]【大阪都構想が全国にもたらすものとは】~自治体の無駄を減らせ~

Japan In-depth / 2015年5月4日 7時0分

[細川珠生]【大阪都構想が全国にもたらすものとは】~自治体の無駄を減らせ~

5月17日の住民投票を控えた大阪都構想について、大阪府・大阪市特別顧問で慶応義塾大学総合政策部教授の上山信一氏に聞いた。

大阪都構想とは、大阪市を解体し、特別区と呼ばれる東京23区のような複数の区にしようという構想だ。今の大阪は市の下に区があり、区長は選挙によって選ばれるものではない。これを東京のように、区が都の直下にあり、区長も選挙で選ぶ仕組みにしようとする構想だ。「役所の仕組みを変えるだけのように見えるが、実はすごく大きいこと。税金の使い方なども変わってくる。」と上山氏は話す。

例えば、大阪市の地下鉄やバスは大阪市内のみをカバーしていて、市を超えると走っていない。大阪市周辺も都市化してきており、全体のことを考えると、大阪市だけというのは範囲が狭すぎる。また、大阪府と大阪市で図書館や体育館など同じ施設を持っていて無駄が多い。都構想の背景について、「高度成長の時代が終わってお金がない。そんな中で民間企業は合併して無駄を減らしている。自治体もそういう工夫をしていく。」と上山氏は解説した。

市をなくし、5つの区を作ると、市民生活はどのように変わるのか。「大阪市役所の改革が一気に進んで無駄が減るのが大きい」と上山氏は述べ、今までは市があることによってなかなか改革が進まなかったという問題を指摘した。例えば地下鉄一つ取ってみても、市長の一声で終電の時間を延ばすことまではできたが、これ以上の改革、例えば私鉄との乗り入れを増やしたり、料金を下げたりするには民営化しなくては難しい。しかし、市では2/3の賛成がないと民営化できない仕組みになっていた。「市議会がなくなり区議会になることで、住民に身近な議会が物事を決められるようになる。区長は選挙で選ばれるから全然違ってくる」と上山氏は都構想のメリットを強調した。

大阪都構想の全国的な影響について細川氏が質問すると、上山氏は「大阪が日本の都市改革の大きなモデルになっていく。つまり世界の標準になる。」と述べた。日本の大都市は、多くのことを抱え込みすぎている。海外では民間企業に任せているようなことも、日本は自治体が全て請け負ってきた。その結果、日本の自治体は資産も大きいが、借金も海外の都市の数倍となっている。大阪の地下鉄が民営化すれば、他の自治体も自分たちのことを見直し始めるだろう。

例えば、川崎市と横浜市をくっつけて区に分けるような話も出てくるかもしれないと上山氏は予想する。自治体をより効率的にするための組み換えの議論がドミノ式に日本に広がっていくだろう。大阪と同じようにする必要はないが、議論が起こるということが重要である。上山氏は大げさかもしれないと述べながらも「地方自治の始まり」という言葉を使ってそのインパクトを表現した。

大阪だからと言って、他人事ではいけない。「大阪でやっていることを今のうちによく見て、自分たちだったらどうするか(今から)考えることが必要」と上山氏は語った。

(この記事は、ラジオ日本 「細川珠生のモーニングトーク」2015年4月25日放送 の内容を要約したものです)

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