[岩田太郎]【安倍首相、米議会演説の「二枚舌訳」は戦後日本の二重性の象徴 2】〜戦後は終わらない〜
Japan In-depth / 2015年5月4日 19時0分
こうした国内外で訳語を使い分ける二枚舌は、国外においても国内においても、本当の意味の癒やしや過去への区切りを阻み、事態をより悪化させるだけだ。首相の言葉がより矛盾を深化させることは、数か月のうちに明らかになる。
また安倍氏は、米議会演説で米国が実力主義であると持ち上げたが、実際は経済格差が拡大し、出身階層がすべてで、演説の内容に反して農民大工の息子は大統領になれない。クリントン家・ブッシュ家・ケネディ家の「世襲政治」や、ファーガソンとボルティモアの暴動はその証左だ。
一方で米国の影響力は衰退の一途を辿り、それは米国の最も親密な同盟国が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)になびいたことに表徴されている。米国は人心掌握に失敗を続け、自己浄化や矛盾解決ができない「項羽化」が進み、カチカチ山のタヌキの沈みゆくドロ舟になりつつある。
そんな米国に範を取る日本は、早晩行き詰る。敗戦70周年の今年こそ、戦前の過ちや戦後日本の歩みを振り返り、国の将来像と戦略を描く必要がある。それは戦前・戦後の日本のようではなく、ましてや現在の米国や中国のようでもない姿だ。戦後日本の二重性を脱するには、まず米国への「回心」の過ちに気付かなければならない。
(この記事は、【安倍首相、米議会演説の「二枚舌訳」は戦後日本の二重性の象徴 1】~その始まりとは~ の続きです。全2回)
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
なぜ日本では国の代表者が公式参拝できないか? 橋下徹「『靖国問題』が最高のケーススタディーである理由」
プレジデントオンライン / 2024年11月22日 9時15分
-
山上信吾 日本外交の劣化 「弱い米国」世界に焼き付けたバイデン氏 レーガン氏が「史上最高」の大統領 対するトランプ氏、ハリス氏の器と視野の狭量にがく然
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月14日 6時30分
-
米大統領選はトランプ氏圧勝。「祝福」を送った中国政府が抱く三つの意図とは?
トウシル / 2024年11月7日 18時0分
-
トランプ前大統領「圧勝」で石破茂首相どうする? 〝選挙の神様〟藤川晋之助氏の見解は
東スポWEB / 2024年11月7日 5時4分
-
トランプ氏にあんなことができるのは安倍首相だけだった…外務次官が思わず「ダメです」と止めた"仰天の一言"
プレジデントオンライン / 2024年11月5日 8時15分
ランキング
-
1中国、持論を曲げ対日ビザ免除再開 景気低迷やトランプ氏再登板が影響か 日本側は驚き
産経ニュース / 2024年11月22日 19時44分
-
2紛争地の人道支援で死者281人 過去最悪、ガザ被害中心
共同通信 / 2024年11月23日 7時40分
-
3「イスラエル首相に逮捕状」で分かれる各国の反応 米国は反発も、トランプ氏の対応に注目
産経ニュース / 2024年11月22日 20時59分
-
4共産主義時代の政治犯刑務所 忌まわしい記憶を「遺産」に ルーマニア
AFPBB News / 2024年11月22日 19時51分
-
5焦点:ウクライナ巡り市民が告発し合うロシア、「密告と人民の敵の時代再び」
ロイター / 2024年11月22日 15時13分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください