[文谷数重]【ダライ・ラマさんはプレスター・ジョンか】~敵の敵に甘い保守論壇~
Japan In-depth / 2015年5月10日 11時0分
しかし特に対インドにおいて、日本はしっぺ返しを貰う可能性が高い。インド外交は巧みである。独立後をみても、非同盟、ソ連寄り中立、米国寄りと変わり身は速い。
インドは、日本には中国との対立での協力者であるように見せている。失敗した安全保障のダイヤモンドや、TRIM外交への評価や、日本製飛行艇を買うような素振りで日本の歓心を買おうとしている。だが、インド自身は中国との関係緩和を計っており、経済的な協力関係強化に腐心している。これはある意味で軍事対立を日本にアウトソーシングしているようなものだ。
日本とインドと同じ価値観というものの、法の支配や公海の自由についてのインドの主張はむしろ中国に近い。インドは周辺国を力で勢力圏視し、抑え込む傾向がある。海の利用でも、中国同様に自国EEZでの軍事行動を許さないとしているのである。このあたりから、次のインドの変わり身で、日本が失望する可能性は相当に高いといえるだろう。
■ 現実をみない現実主義
なんにせよ、保守論壇では駒を駒として割り切らない。中国に反感を抱く人たちが、中国に膨張主義に見るのは理解できる。その上で、いわゆる中国膨張主義を封じ込めるツールとして、ダライ・ラマさんやインドを利用しようとすることもわかる。
だが、そこに同志的連帯を見出すまで心酔するのは行き過ぎに見える。「現実主義」や「冷徹な国際政治」を標榜する割には、敵の敵にはやたら甘い。そこに理想まで見てしまうのは、中世のプレスター・ジョン待望論そのものだ。相当に甘い認識である。
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