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[岩田太郎]【米・ボルティモア暴動を読み解く 3】~96%の米国人が今夏の人種騒動を予想〜

Japan In-depth / 2015年5月10日 18時0分

ロサンゼルス市警の白人警官による1991年のロドニー・キング氏集団暴行事件で、翌年に警官が不起訴になった際は、大規模な暴動が同市で起こった。これらは氷山の一角である。一方、黒人の「犯罪者」を有罪に持ち込むのは、凶悪犯罪でなくても強制懲役を規定する法律や、軽犯罪でも3回犯せば無期懲役にできる悪名高い「三振法」など、黒人を狙い撃ちにする仕組みで、いとも簡単だ。

奴隷制の時代から、怒りのマグマはたまり続けている。ボルティモアを例にとると、白人の判事が自由黒人を捕まえて、再び奴隷として売り払って利益を上げていたことが記憶されている。ボルティモア警察が、生殺与奪権を濫用して多くの黒人を殺し、傷つけ、恐怖でおびえさせてきた歴史は、語り継がれている。黒人が権力の象徴である警官を見て逃げる理由の背景には、そうした歴史にある。

伝説の元祖ヒップホップ・ミュージシャンであるグランドマスター・フラッシュが1982年にリリースした『ザ・メッセージ』で綴られるゲットー・スラムの世界は、ジャングルのような崖っぷちであり、絶望的だ。その絶望が今年の夏、爆発する。

(終わり。本記事は【米・ボルティモア暴動を読み解く 2】~現代版奴隷制の「監獄プランテーション」~ の続き。全三回。本記事には、参照した英文の元記事やミュージックビデオへのリンクが貼られている。お読みになりたい方は、Japan In-Depthのウェブサイトhttp://japan-indepth.jpをご覧いただきたい。)

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