[岩田太郎]【米・列車事故、3つの謎が急浮上】~投石を受けたのか?加速し続けた理由は?~
Japan In-depth / 2015年5月18日 23時0分
SEPTA列車との無線交信や、その横を通過したこと、また事故列車が21時21分の脱線直前に加速を続けたことは、ボスティアン運転士にかなり最後まで意識があったことを物語っているのではないか。脱線数秒前で非常ブレーキが動作したのがボタンの押下が止まったからだとしても、その前1分間にわたり、列車が時速110キロから170キロまで加速したのは不可解だ。
翻って、投石を受けたSEPTAの運転士は事件後に茫然とした様子であり、衝撃で判断能力が一時的に落ちる場合もあろう。さらに、事故当日の昼にボスティアン運転士が担当したニューヨーク発ワシントン行列車の運転席の表示系統が故障し、列車速度の判断を信号目視だけで行わなければならなったことが判明している。これが、彼の速度感覚と判断をその晩に狂わせた可能性も考えられる。
アムトラックは今春、運転士の休養時間が短く不規則になる勤務体制改変を行ったが、乗員組合は今回の事故がボスティアン運転士の疲れによるものと主張した。だが、NTSBは運転士に疲労はなく、線路・信号・機関車にも異常はなかったとしている。因みに、事故現場の反対の進行方向には自動列車停止装置(ATS)がすでに導入されており、もし方向が違えば事故は防げたかもしれない。
こうした中、フィラデルフィアの地元テレビ局WPVIは、「州検察が事故を捜査しており、訴追を行うことを検討中だ」と伝えた。その対象がボスティアン運転士なのかは不明だが、事故調査と捜査は重大局面を迎えている。
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