[宮家邦彦]【タダで済むと思うな、中国の南シナ海埋め立て】~甘く見られたオバマ政権~
Japan In-depth / 2015年5月19日 7時0分
今週は南シナ海で中国が埋め立てた人工島の話で盛り上がっている。ふと日本が排他的経済水域を設定している沖ノ鳥島につき中国が異議を申し立てていたことを思い出した。中国の埋立てに比べれば、沖ノ鳥島の港湾工事など可愛いものだ。
それにしても、中国は何故あんなに急ぐのか。オバマ政権のうちに既成事実を作り上げ既得権確保を狙ったのだろうか。しかし、こんなことをして、徒で済むと思っているのかね。当面は米軍が航空機と船舶を12カイリ以内に入れるかが焦点となる。
〇東アジア・大洋州
その中国を16-17日、米国務長官が訪問する。17-18日には韓国も訪問する。中国では南シナ海の人工島が、韓国では対日関係が焦点になるというが、ケリー長官も世界を飛び回る割には目ぼしい成果が少なく、可哀想だなとつくづく思う。
24日からマレーシア首相が訪日する。同国はASEANの中でも「対中立ち位置」が微妙な国の一つだが、同首相夫妻を公式実務訪問という「国公賓」と「実務」の中間的接遇で精一杯の「おもてなし」をして、関係を深めてほしいものだ。
〇欧州・ロシア
18日にEUが移民問題を議論する。だが、これで問題は解決するのか。欧州と北アフリカというこの歴史的ライバルは21世紀も競争しているが、悲しいかな、最近の北アフリカの劣勢は明らかだ。昔は南の方がはるかに豊かだった。歴史は実に非情だ。
19日に仏労働組合がストライキを行う。教育大臣の改革案に反対するのだとか・・・。日本から見ると実に豊かな国だと思う。豊かといえば、24日にはスペインで地方選挙が、ポーランドでは大統領選決選投票が実施される。やはり欧州には余裕がある。
〇中東・アフリカ
23日にエジプトで前大統領(モルシー)が死刑判決を受けそうな雲行きだ。一方、前々大統領(ムバラク)は無罪放免らしい。2011年の革命後、エジプト法曹界の人々と会ったことがあるが、やはりいい加減だった。エジプトの一体どこが法治国家なのか。
〇アメリカ両大陸
18-26日に中国の国務院総理がブラジル、コロンビア、ペルー、チリを歴訪する。国会がないのに首脳級指導者が二人もいる国の外交はさぞ楽だろうと思う。国会審議で外遊ができない総理や閣僚なんて、中国人には考えられないだろう。
〇インド亜大陸
18-19日にインド首相が韓国を訪問する。20-21日にはパキスタン首相がトルクメニスタンとキルギスを訪問する。目的は天然ガスや電力の供給らしいが、これだけでもパキスタンと中央アジアが意外に近いことがよく判る。今週はこのくらいにしておこう。
いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
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