[Japan In-depthチャンネルニコ生公式放送リポート]【テレ朝川内原発誤報問題は本当に“過失”だったのか】~視聴者はテレビの印象操作に注意せよ~
Japan In-depth / 2015年5月30日 23時0分
誤報検証サイト「GoHoo」コラボ企画。川内原発誤報問題及び、旅券返納報道について、日本報道検証機構の楊井氏が徹底解説。
2014年9月の話なので、記憶が薄れている方も多いかもしれないが、テレビ朝日の報道ステーションで放送された川内原発に関するニュースが、BPOによって指摘され、調査を受けていた。
川内原発の審査が新基準でクリアしたという報道だったが、二つの点で事実誤認があったとされる。まず、原子力規制委員会の会見映像について。火山の審査基準について記者が立て続けに質問をしているシーンで、委員長が言葉を濁している映像をだけを切り取って流し、他の火山に対する質問に丁寧に答えている場面を流さなかった。
もう一つは、こちらも火山の審査基準について。竜巻のリスクを過大評価してしまったことに対して、「間違いがあるのではないか」という質問に対し、「100パーセントとは言い切れない」と答えた場面を、まるで火山の審査基準についてのやりとりであるかのように編集した。
この二つの編集について、テレビ朝日は故意ではないと主張し、BPOも最終的な報告書の中で、「過失」だったとし、テレビ朝日側もすぐに謝罪したこともあり、今後の注意を促すのみだった。本当に過失で、このようなことが起こるのだろうか。元フジテレビの安倍編集長は、「分業でやっているため、取材した人が編集していないケースが多い。ディレクターはテレビ局員ではないことが多く、意思の疎通がないと間違ってしまう」と話した。BPOの報告書にも「複雑な分業体制」という言葉があった。テレビは新聞と違い、継続して報道するということが難しい。「インターネットメディアの役割は継続して取材することではないか」と安倍編集長も話した。
しかし、「不注意でこうなりましたということは考えにくい」と楊井氏。何故なら、記者は火山に関する質問の流れを見ているはずだし、映像にも映っている。間違えてしまった理由について、テレビ朝日側は「火山について強い問題意識を持っていたので、火山についての質問が多かったことを強調したかった」といったことを答えている。つまり、何らかの意識が働いて、映像編集に影響を与えたということではないだろうか。楊井氏は「誤報というよりもある種の印象操作」と指摘しながらも、「名誉毀損にまではならないだろう」と話した。
BPOは正しく機能しているのだろうか。安倍編集長は、「テレビ的には怖い存在」だとして、BPOが活発に動いていることを説明した。BPOは視聴者からの意見を受けて、調査に乗り出している。BPOによるテレビ局に対する質問には回答義務があるので、一定の影響を与えているといえるだろう。
続いて、シリアへの渡航を予定していたフリージャーナリストが外務省によってパスポートを返納させられた問題の報道について、楊井氏が見解を述べた。楊井氏は「メディアはこの問題に関して腰が引けている」と指摘した。また、読売新聞や産経新聞が渡航はすべきでないとの論調だったことに対し、「外務省の立場でなるべく行かないでくれというのはわかるが、メディアが言うのは…」と両紙の主張に違和感を示した。さらに、「混同してはいけないのは、後藤さんは湯川さんの救出目的でISILの支配地域に行ったが、今回旅券返納させられたジャーナリストは、ISILの支配地域には入らずに取材する予定だった」と述べ、視聴者の冷静な判断を求めた。
川内原発再稼働問題も、旅券返納問題も、賛否が分かれるのは当然といえる難しい問題だが、メディアは印象操作を排し、事実をしっかり視聴者に伝えることが大切だ。
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