[細川珠生]【敦賀原発破砕帯問題、多重防護で対応を】~滝波宏文参議院議員に聞く、原子力規制委の問題点~
Japan In-depth / 2015年6月16日 15時0分
東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会の委員を務めている参議院議員の滝波宏文氏を迎え、エネルギー問題について聞いた。
先日、敦賀原発を訪れたという細川氏。敦賀原発は二号機直下の破砕帯の存在が問題になっている。この破砕帯が動く可能性があるという有識者会合の評価書を、3月に規制委員会が受領したのだ。滝波氏は、規制委員会の理念について「今までは安全神話があった。リスクはゼロと言われていたが、その態度が問題だった。」とし、それが3.11以降、「リスクはあるということを前提に、それを少しでも小さくする不断の努力をすることが重要。それが大きく見直された。」と評価した。
しかし、敦賀原発に関しては、規制委員会はゼロリスクを求めているということを指摘。他の案件については、多重防護で基準をクリアできるとしているが、破砕帯問題については、建屋の直下に破砕帯があれば一発アウトで、他の方法でリスクを低減することができないという非科学的な対処に、細川氏も理不尽さを感じている。
滝波氏は「(規制委員会は)全く活断層がないということを証明しろと言っているが、ないということの証明は難しい」と話し、穴を掘って調査することの限界を訴えた。「科学的に判断して、可能性が否定できないのであれば、それに対して工学的な対応、多重防護をするのが科学的な論理的な態度ではないか」と滝波氏は述べ、細川氏も「色々な労力もそちらにかけた方がいいに決まっている」と同意した。
規制委員会は3年毎に組織の見直しを行い、今年がその年に当たる。これについて滝波氏は、「規制委員会を組織の在り方だけではなく、組織文化・ルールの在り方も議論している」と話し、現在の規制委員会の問題点として、事業者の予見可能性が全くない、手続きについて曖昧な指示がされていて、前と違うことが言われたりする、事業者とのコミュニケーションが滞っている、独立にこだわりすぎて孤立している、等の点を挙げた。
規制委員会は大臣からも独立している機関で、環境大臣も何も言えない。他の監視機関もない。滝波氏は、「組織の在り方を定める法律ではなく、さらに省令や規則等のルールをきちんと作り、規制委員会の普段の手続きに対し、国会が監視機能を果たさなければならない」と述べた。
震災から4年、これからのエネルギーの供給の在り方を不安に思っている人もいるし、まだまだ原発なんてとんでもないという人もいる。今後のエネルギー政策を滝波氏に問うと、電気料金の値上げ、CO2排出量の削減等の問題を挙げ、「原子力は機関的電源として欠くことができない」との考えを示した。また、「3.11以降、新たな原子力発電所の立地を見つけることは難しい。既存の立地地域を大切にしなければいけない。」と述べ、リスクを抱えながらも日本のために必要不可欠な電源を供給してきた立地地域の人々に感謝し、地方と都会が支え合って生きていく社会の大切さを訴えた。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2015年6月13日放送回を要約したものです)
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