[山田厚俊] 【安倍・橋本会談、マスコミ取材力低下露呈】~安保関連法案、安倍政権に焦り~
Japan In-depth / 2015年6月17日 11時0分
安倍晋三首相と橋下徹大阪市長の会談が6月7日、行われた。新聞休刊日を狙って、マスコミに知られずに隠密裏に計画したと見られるが、いろいろ探ってみるとマスコミの取材力低下が露呈した格好だ。
菅義偉官房長官から内々の打診があったのは6月2日、火曜日だったという。橋下氏周辺では「会うための調整はするが、事前に漏れたら中止させてもらってもいいですね」と、念を押して日程調整を始めたという。
双方の日程調整をしている中、4日にはウワサが駆け巡り、記者たちが動き出す。しかし、そう簡単に官邸側も維新側も口を割らない。そうこうするうちに、ほとんどの記者は諦めたのか、まだ当分先の話だと思い込んだのか、立ち消えた格好になった。
結局、7日の朝刊紙面に「安倍首相と橋下市長、会談へ」と、きちんと記事化できたのは、朝日だけだった。これで各紙は慌てふためき、会談場所のホテルに駆け付けることは出来た。
とはいえ、皆、予期せぬ出来事だったため、予定調和的な「維新への協力要請か」といった論調で、今後の展開で辻褄合わせをしようとしているのがミエミエ。「そんな話じゃないのにねぇ~」と、維新関係者はため息をつく。引退を表明した橋下氏に安倍首相が泣きつく構図はあり得ないからだ。仮に、安倍首相が協力要請したところで、橋下氏がどうにかなる話ではない。そんなことも分からないのか、と維新関係者は嘆く。
一方、安倍首相は安保関連法案がここまで難航するとは思っていなかった。だから、野党を分断し、今国会での成立を確実にさせるため、ポーズであっても会談する必要があったと解説する者もいる。もっと踏み込んで言えば、それほど焦っている、との見方もできるという。与野党内で、さまざまな駆け引き話が飛び交う中、その真相が明らかになる日は近い。
新聞、テレビの政治部記者の踏ん張りに期待したい。
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