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[遠藤功治]【“ルノーの財布”であり続けるのか?】~大手自動車会社の決算と今後の課題 日産自動車 2~

Japan In-depth / 2015年6月29日 18時0分

仮に返済が終了したとして、次に来るのは、資本関係の変更かもしれません。利益水準や資本の厚さ、技術的水準など、経営指標を比較した場合、殆どの分野で日産はルノーに勝っています。しかし、提携以来、その資本比率や議決権の無さなど、日産にとっては不利な形が続いています。お互いがイコールパートナーであれば、相互の出資・議決権の水準は同じになるべきでしょうが、当然、日産がルノーに救済された連結子会社であり、借金がまだ残っているのは事実、まだイコールパートナーでは無い訳です。

それを全て完済するのが目先あと少し、この際、出資比率をイコールにするか、ルノーが持ち株会社を作り、その下に日産とルノーを並行に並べるか、様々なオプションがありますが、何らかの変更が必要かと思うのは筆者だけでしょうか。ただ一方で、フランス政府がどのような姿勢なのか。フランス政府が引き続き厳然たる影響力をルノーに持ち続けておきたい、そのためには、出資比率の大きな変更は認めないし、ルノーの筆頭株主としての地位を手放すことはしない。日産に議決権は与えない、云わばルノーにとっての財布としての立ち位置を引き続き求める、ということになるのかもしれません。日産における今後の注目点その1です。

(この記事は、

【配当性向はダントツでも利益は低水準】~大手自動車会社の決算と今後の課題 日産自動車 1~

の続きです。

【国内市場は二の次、米中市場最優先のわけ】~大手自動車会社の決算と今後の課題 日産自動車 3~

に続きます。本シリーズ全3回)

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