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【米・子供達の夢を実現させる演劇教育】~ 演劇人が正当に評価される社会~

Japan In-depth / 2015年7月13日 7時0分

そして、今年からトニー賞に演劇教育者賞が設けられました。受賞者は、生徒と同僚がノミネートした先生から選ばれます。第一回の受賞者は、私の友人ジェームズ・ケネディーがノミネートしたコーリー・ミッチェル(ノースカロライナ州ノースウエスト芸術学校演劇講師)です。4000人の候補者から選ばれました。ジェームズは脚本・作曲家として国立劇場の研修生を経験し、今はブロードウェイの劇場で働いています。コーリー氏の生徒だった中学生時代、演者として感じていた疑問を先生が理解し、「君は音楽の才能があるから、音楽監督をやってみないか?曲を書いてみてもいいよ。」と言われ、人生が変わったそうです。


彼数多い演劇教育者の中でも、なぜ彼が特別なのか?とジェームズに聞くと、「僕に音楽を通じて舞台づくりに関わることを気づかせてくれたように、生徒一人一人を活かすのがうまい。ミュージカルに対する情熱と勉強熱心さ、技術力も尊敬できる。そして、何でも相談できる人柄。卒業した今でも毎週電話で相談している。」といいます。実績としてはブロードウェイミュージカル「The Color Purple」のセットと衣装を高校生が使って公演できるようにドネーションを募集し、1000人以上の若者・ブロードウェイと地元の地域に人達を巻き込み実現させたことがあります。まさに、生徒達のアメリカンドリームを実現させたのです。


アメリカ人と話していると、発想のスケールが大きいな!と思うことが多く、それは寄付金を集めて大規模なことを実現している人達がいるからだと思います。“Dream Big!” を体現させた人がいて、それを一緒に実現させることにやりがいを感じる人達がいる。1人では実現できないが、多くの人達の支援によって叶う大きな夢に人々はワクワクするのです。


情熱と作戦があれば、大きな夢を叶えてくれる社会だからこそ、“Dream Big!”という言葉を胸に抱き、夢に突き進める人達がいるのは、とてもいい循環だと思います。アメリカは夏のサマーキャンプシーズン突入。一生を変える恩師や仲間との出会いがあり、大きなドラマが生まれます。大きな夢を叶えていく若者達と出会うのが楽しみです。


※トップ画像:初代演劇教育者賞受賞コーリー・ミッチェル(右)とノミネート者ジェームズ・ケネディ(左)

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