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[遠藤功治]【本当に依存症ではなかったのか?】~トヨタ役員逮捕と麻薬“オキシコドン” 1~

Japan In-depth / 2015年7月21日 18時0分

先日、やや症状が悪化したこともあり、再入院させる前に、実家に久しぶりに帰った時のこと、何故かこのオキシコドンが見つかりません。母親は終日、ほぼ寝たきりの生活ですが、オキシコドンが無いばかりに痛みが激しく、横になることもできません。週末で病院が休みであったこともあり、結局、筆者が夜通し、背中や腰をさすりながら、痛みを和らげようとしたのですが、当人からすると痛くて痛くて眠れない、母親は“痛いよー、痛いよ―”と泣きながら、殆ど一睡もせず、朝を迎えました。週明けです、すぐに病院に連れて行き、再度処方されたのが写真のオキシコンチン。それが1錠飲むと、嘘のように痛さが引け、本人はようやく床に就くことができました。オキシコドンというのは、その位強力な薬で、当然、日本だろうが米国だろうが、医師の処方が無ければ、患者は手に取ることさえ出来ない筈です。

それが実際に米国では、比較的容易に取得できるのは事実のようです。“ピルミル”とかいうタイプのクリニックで、例えば歯痛を和らげる目的で、簡単に処方される、それも大量に入手できるようです。大量に処方を受けるので、大半の場合は使用されず余ることが多く、それを個人間で売買取引・融通し合う、そんなことも多いようです。特別な医療目的以外で、不適切にそれも大量にオキシコドンを使用、腰や膝の痛みが和らぐ以上に、気分が良くなる、結果的にヘロインかコカインのような過剰摂取と依存症が深刻化する、所謂“ラリっている”状況、これが現在の米国で深刻な問題に発展している、ということです。

“米国では普通に処方されているのだから、日本が厳し過ぎ、今回の逮捕は行きすぎ、もっと日本でもオキシコドンを容易に入手できるようにすべき“、という意見があるように聞きますが、世も末だと思います。世界で使用されているオキシコドンの約80%は米国、との統計もあるようですが、その結果として、米国での乱用が問題とされているのなら、処方は更に厳格化されるべきであって、日本でもっと使用を緩めろというのは、日本で麻薬依存を蔓延させろと言っているのと同じで、本末転倒です。

このジュリー・ハンプ元役員、元々から膝痛でオキシコドンを処方されていたようですが、今回問題となった錠剤は、父親が送ってくれたもので、自分が処方されたものではないとのこと。また、容疑にある260錠以上の錠剤は、筆者の母親の3カ月分に相当します。貴方の膝痛は、膵臓がん末期患者の3カ月分の錠剤を必要とするような痛みであったのか、毎日毎日、その錠剤が無ければ、誰かが四六時中さすってあげなければいけないような、そんな痛みを伴ったものであったのか、また、誰が3カ月分の錠剤を処方してくれるのか、彼女にじっくりと聞いてみたい事柄です。

(【社長会見とメディアの姿勢に苦言呈す】~トヨタ役員逮捕と麻薬“オキシコドン”2~ に続く。このシリーズ、全2回)

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