[俵かおり]【なぜエチオピアは貧しく飢えに苦しむのか】~断食年230日、宗教と貧困~
Japan In-depth / 2015年7月26日 18時0分
またエチオピア正教では、イスラム教と同じく不浄とされている豚肉は禁止であり、さらに蹄が割れていない動物は食べてはいけない。よって、食べるのは牛とヤギ、羊のみ。山岳の国であるから、海からの恵みは全く食文化に入っていない。
特に日本で生まれ育ち、ほぼ何でも―肉類は豚も馬も食べる、魚でもタコ、イカも、蛇のようなウナギも、エチオピア人から昆虫と言われるような貝類も―食べる、それもいつでも。そんな文化で育った私がこの地で食に関して極めて厳しい制限を感じるのは自然のことだろう。
もし、と考える。エチオピアが宗教から自由で、いつでも何でも食べる、という文化であったなら、Hassanの言うように、ここまで栄養不足が蔓延していないかもしれない、という考察は、かなり現実味を帯びている。もし、ここまで宗教の戒律に従うことがなかったら、社会の中に、もっとタンパク質を取ろうというインセンティブが働き、それが生産という方向へつながるかもしれない、などと考える。
しかし、これは宗教に関わることで、この国では少なくとも表立って議論されることのない、タブーのトピックなのだ。いつも思っていること、宗教と貧困は関連している。これがこの国にも当てはまる。
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