[遠藤功治]【驚異の微細精密印刷技術、車のシート世界シェア16%】 ~“キラリと光るダイヤモンドの原石企業” 福井県編「セーレン」2~
Japan In-depth / 2015年7月28日 11時0分
この当社の2大柱の製品群に次ぎ、それぞれ売上高の5~6%を占めるのが、エレクトロニクス関連、医療関連、建設資材関連などの製品群である。エレクトロニクス関連は、実はリーマンショック以前には、自動車と並ぶ当社の大黒柱であった。実際、当社は昨年度純利益では過去最高益を更新しているが、売上高の過去最高は8年前、2008年3月期の1,129億円である。当社の今期売上高は1,053億円の計画で、この過去最高には依然届かない。
本業の営業利益でもまだ過去最高益を更新出来ていない。2008年当時の主力製品は、電気を通す導電糸や繊維、電磁波シールド材やワイピングクロスなどで、テレビやHDDなどに多く採用されたが、リーマンショック以降のエレクトロニクス不況で販売は急落、TV・HDD向けなど大幅な減収となった。ようやく最近、4Kテレビの登場やスマホ・タブレット向け出荷の拡大で、業績が回復に転じている。
当社今一つユニークな製品群がメディカル関連である。人工血管用基材や腰痛用テープ基布、絆創膏基布、純水化用浸透膜素材、化粧品などが主なもので、それぞれの製品に於いて営業利益率は20%を超えるドル箱である。急成長する分野ではないものの、非常に高い技術水準と競合の少なさ、品質の信用性などで高い利益率を維持する。
(【グローバル化への脱皮と広報戦略構築が課題】~“キラリと光るダイヤモンドの原石企業” 福井県編「セーレン」3~
に続く。本シリーズ全3回。
【カネボウを買収した経営者の英断】~“キラリと光るダイヤモンドの原石企業” 福井県編「セーレン」1~
も合わせてお読みください。)
トップ画像:出典 セーレンfacebook
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