[山田厚俊]【進まぬ国会議員の定数削減】~安倍首相は野田首相(当時)との約束を果たせ~
Japan In-depth / 2015年7月29日 18時0分
7月28日、参議院の「1票の格差」を是正するため、隣り合う県を統合する合区などによって定数を「10増10減」とする改正公職選挙法が衆院本会議で可決、成立した。
これで一安心と思っている現役国会議員は多い。何しろ、憲法違反と指摘されていて、何一つ公選法の改正に手をつけられなかったからだ。しかし、忘れていないだろうか。今から3年前の2012年11月14日、野田民主党政権時の党首討論だ。思い出していただくため、その時のやり取りを抜粋してみた。
安倍氏「私たちの選挙公約で定数削減と選挙制度の改正を行っていくと約束している。この場でしっかりやっていくと約束する」
野田首相「最悪の場合でも必ず次の国会で定数削減をする。これは『0増5減』のレベルではない。身を切る覚悟をちゃんと示しながら(消費税増税の)負担をお願いする。制度ができるまでそれを担保する。約束してほしい」
安倍氏「定数削減や選挙制度の改正を私と首相だけで決めていいはずがない。首相がやるべきことはこの混乱の終止符を打ち、新しい政治を始めていく。その決断を求めている」
野田首相「明快な答えをいただいていない。われわれの提案は中小政党に配慮した比例の削減で、民主党にとってプラスでない。後ろに区切りをつけ結論を出そう。16日に解散する。だからやりましょう」
安倍氏が、野田首相(当時)の迫力に押された名シーンだ。よく読めば、時の首相と最大野党の党首同士の公約は、定数削減だ。
しかし、第2次安倍政権が発足して2年半以上。未だ、その「公約」は守られていない。スピーディーに決めるべき時は決めると公言する安倍首相に、その気は見えない。その点を徹底追及する野党もない。だから、政治は見放される。国民の政治離れの責任は、やはり政治家にあることを改めて感じている。
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