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[Japan In-depth 編集部]【議会改革の動き、東京・港区でも】~議会基本条例に関するワークショップ開催~

Japan In-depth / 2015年8月8日 18時0分

[Japan In-depth 編集部]【議会改革の動き、東京・港区でも】~議会基本条例に関するワークショップ開催~

「議会基本条例」を知っている人はどれくらいいるだろうか?簡単には、「地方議会が果たすべき任務を明らかにし、それをどのような手続きで実施するか全体的に定義するもの」とされている。(注1)つまり、議会が果たすべき役割と、議会と住民との関係を明らかにすることが必要だということだ。具体的には

1. 住民と議会の意思疎通の充実→議会報告会、議会夜間開催
2. 議会における審議の充実→議員同士の討議、議員による政策提言促進
3. 事務局機能の充実→事務局職員の専門性、補佐機能の充実

などの実現が期待されている。この条例を制定している地方議会は、全地方議会(1789議会)のおよそ3割に止まっている。(早稲田大学マニフェスト研究所調べ)

7日、東京都港区の第二会派「みなと政策会議」が主催した『区民で議会基本条例を作ろう ワークショップ』は、およそ20名の区民とみなと政策会議の議員が参加し、活発に議論が交わされた。

ワークショップでは、まず議会基本条例と港区の現状について講師と議員が説明をしたのち、4グループに分かれ、区民が議員に聞きたいこと、また議員が区民に伝えたいことを共有し、区民と議員・議会は今後どのような手段を用いて対話をしていくか、について話し合われた。

区民は港区の今後のビジョンや、区内の貧困問題などに対する区の政策、また議員が毎日何をやっているのか、といった議員の活動の実態についても高い関心が示された。対話の手段に関しては、メルマガやSNSの利用、目安箱を設置する等のアイディアや、飲み会を実施してそこで話を聞きたい、といった意見も出た。最終的には出た意見を模造紙にまとめ、グループごとに発表し共有し合った。

「みなと政策会議」の幹事長である清家あい議員は、「区民の皆さんがどのように思っているかわかり、大変勉強になった。」と話した。今回のワークショップは、一会派の議員たちが、ゲストとして招かれるのではなく自ら主催した、という点で画期的な取り組みだったが、より多くの区民の意見を吸い上げるにはさらに回を重ねる必要があろう。

そうした中、区民からは、「基本条例制定より前に、港区議会の置かれている状況を住民にまず説明することが先ではないか」「議員は何をやっていて、何が問題か住民にわかってもらうことが必要」などの声が相次いだ。確かに情報公開は必須であるし、より容易に情報を受け取ることができることは大いに歓迎すべきである。

一方で、ワークショップで提案された手段の大多数は実際に港区が実施済みで、区民が能動的に動けば情報は入ってくる仕組みになっている。情報公開という点では市民の地方議会に対する関心の低さも問題ではないか。この議会基本条例制定への動きは、有権者の政治に対する関わり方を改めるきっかけとなりえよう。ワークショップはあくまで第一歩。議会基本条例の制定には区民との対話はもちろんのこと、議会が一丸となって取り組んでいかなければならないことは言うまでもない。

(注1)「あなたにもできる議会改革―改革ポイントと先進事例―」マニフェスト研究所議会改革調査部会編著 2014年、第一法規株式会社 p.55より引用

※トップ画像:8月7日「港区民で議会基本条例を作ろうワークショップ」(主催みなと政策会議)の模様

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