1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

[瀬尾温知]【日本初長編アニメは戦意高揚が目的】~戦時下のプロパガンダ映画の秘密 1~

Japan In-depth / 2015年8月18日 11時0分

立体的な奥行きを表現するマルチプレーン、シンクロナイズさせるために音声や台詞を先に録音してそれに合わせて作画するプレスコ、下から光を入れて絵の明暗を浮き立たせる透過光などを使い、日本アニメーション界の技術の粋を結集させた。透過光の特殊効果を用いたのは世界で初めてとも言われている。

制作にあたった1943、44年というと、召集令状が多くきた年で、女性にも徴用がきた。軍需工場で爆撃にあったアニメーターなどの戦死者が出て、1944年12月に完成したときにスタッフは15名ほどになっていた。悲愴な場面、それに輸送機を実証的に描きすぎた場面は軍規に触れるということで、海軍省の指示によりカットとなった。作り直すのに手間取り、公開は空襲に晒されている最中の1945年4月になった。その封切り初日に映画館へ観に行ったのが、この映画を楽しみに待ち焦がれていた青年、ちょうど20歳の手塚治虫だった。

(【手塚治虫がアニメ製作を決意した日】~戦時下のプロパガンダ映画の秘密 2~ に続く。このシリーズ全2回)

※トップ画像:軍用機から姿を見せる桃太郎、出典「桃太郎 海の神兵」(松竹)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください