[Japan In-depth 編集部]【子どもの命、どう守る?】〜「こども@ホーム」キックオフイベント~
Japan In-depth / 2015年8月23日 19時0分
大阪では、夏休み中の中学1年生2人が殺害される非常に痛ましい事件が発生した。事件の動機や背景についてはまだ不明な点が多いが、幼い命を守るために、家庭、地域、学校、行政が何をすべきだったのか、子どもの為に何ができるのか、今一度考えなければならないだろう。
夏休みも残り10日、東京都墨田区では「こども@ホーム推進員会」のキックオフイベントが開かれた。「こども@ホーム推進委員会」は、児童擁護に関する正しい政策を提案し実現していこうと、都議会議員など地方議員や地域住民、行政や医療関係者など専門家らで設立したネットワークだ。
設立を記念したこの日は「すべての子どもたちに、温かい家庭を!」と題し、里親や特別養子縁組をテーマにした。会場には、若い世代の母親など120人が詰め掛けた。
まず講演したのが、愛知県の児童相談所で30年以上、赤ちゃんの特別養子縁組に取り組んできた社会福祉士の矢満田篤二さん。新生児の遺棄事件が後を絶たない実態や、特別養子縁組が進まない国内の状況など問題点を指摘した。また里親連絡会の事務局長・竹中勝美さんは、日本の施設擁護が国連の子どもの権利委員会から勧告を受けていることや、諸外国と比べ、日本の里親委託率が極めて低い現状が報告された。
「実の親が育てられない子どもは、施設ではなく、里親や養親のもと温かい家庭で育てられるべきではないか?」会場に集まった人々からも多くの声が上がった。
特別養子縁組を目指し里親登録をしたものの、行政からは「新生児を迎えることは難しい」と言われた女性。小さい頃から親子として生活したいと願うが、新生児のほとんどが里親家庭ではなく、乳児院に入所する実態を訴えた。
里親として数年養育したのち、特別養子縁組したという母親は、養子となった子どもから「もう一生ここにいてもいいんだよね?悪いことをしても児童相談所が怒りにこないんだよね?」と言われた経験を涙ながらに話した。
経済的な事情や、虐待などによって実の親と暮らせない子どもたち。家庭にも学校にも居場所がなく、夜の街をさまよう中高生。これらの子どもに対する大人の支援が、全く十分とは言えないというのが「こども@ホーム推進員会」の抱く危機感だ。
児童養護施設にいる子供たちはおよそ4万人。乳児院にいる赤ちゃんは3000人に上る。一人でも多くの子供たちが暖かい家庭で育つことができるようにするためには、政治の力が不可欠だ。このネットワークに、地域に密着した地方議員が多く参画していることは評価できる。今後の活動を見守りたい。
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