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[大野元裕]【セキュリティ・ジレンマに陥る危険】~米・中の軍事力バランスをよく見て議論を~

Japan In-depth / 2015年8月25日 18時0分

更に、来年にはSM-6ミサイルがCG-62、DDG-52及び65が配備されると、射程は水平線の向こうの370kmに伸び、ベースライン9(BL9)は自衛艦のコンピューター処理能力の35倍になると言われている。また、近い将来とも言われるSPY-6レーダーが装備されると、同時に追いかけることができる飛翔体の数は、200個から1200個以上になるともされている。

政府の言うとおり、新たな法制が厳格に必要最小限で代替選択肢がない場合のみ、集団的自衛権を行使することを前提としているとすれば、そもそも単独で航行することはないと総理が言っているBMD対応イージス艦を自衛隊が守る必要はない。それに加えて、イージス艦と言っても、CEC艦やIAMD艦は自らを巡航ミサイルから防衛可能である。それどころか、米側の技術の進展により、現在の自衛隊のイージス艦は、米艦の代替選択肢にならない。

政府は北朝鮮や中国のミサイル技術の進展ばかりを取り上げて危機感を煽るが、それを上回る米側の技術についても冷静に見る必要がある。中国の軍事力の伸張には懸念する点が多いことも事実ながら、双方のバランスの中で、セキュリティ・ジレンマに陥り我が国を逆に危険におとしめることがないような現実的な議論の中で、安全保障を語ることも重要ではないだろうか。

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