[細川珠生]【「謝罪に終止符」を打った総理談話】~戦後70年に想う~
Japan In-depth / 2015年8月30日 7時0分
私は、戦後50年談話が出された時に、27歳でした。このころ、今の仕事を始めました。正直、本当にびっくりしたのです。「私が知らない戦争なのに、謝らないといけなんだ」と。当時は、まだ戦争経験者もたくさん存命でした。だから仕方ないのかな、というくらいに受け止めようとしました。しかし、10年後、60年談話の時も、また謝罪。当時も戦後世代が7割と言われていたのに、謝罪をしたのです。「一体、いつまで」というのが、私の率直な感想です。
仕事をしながら、謝るべき対象があるとすれば、それは国対国の交渉の中で、すでに済んだ話となっていることなどが分かると、日本の対外的な公式見解として拘束される「総理談話」として述べるにはふさわしくない内容であると思ってきました。
日本人は奥ゆかしく、つつましく、謙虚であるがゆえに、「悪いことしたなあ」と思うと、いつまでも謝る、いわば「へりくだる」習性のようなものを持っている国民性とも言えます。ただ、政府の公式見解となれば、日本人の国民性のようなものに影響されているようでは、賢い国とは思えません。
今回の「謝罪に終止符」を打った総理談話により、その重荷から解放された、私はそんな気分です。そして、これこそが、安倍政権だからこそできたと思わずにいられません。
しかし、談話の中では、先に挙げたように、過去の出来事について、「忘れてはならない」という姿勢を明確にしたことで、日本人はこれからも正直に、誠実に生きていく民族だということを、世界に明らかにしたことも事実でしょう。
私の世代でも、戦争は「歴史上の出来事」です。それだけ過去のことになりました。でも、終戦直後にソ連に侵攻された北方領土は、今はロシアが占拠し、実効支配の既成事実を重ね続けています。韓国には竹島の実行支配をさらに進め続けられています。尖閣諸島は国有化しましたが、領海侵犯が繰り返され、北朝鮮は日本に向けミサイルを向けています。
日本の周囲には、「戦後70年」たってもなお「終わり」となっていない問題がいくつもあります。国家の姿勢として「謝罪に終止符」を打ったあとは、これらの諸問題をきっちり解決することが、次に課せられた今を生きる大人たちの責任であると思います。
「子や孫、その先の世代の子供たちに、領土問題を解決しなくてはならないという宿命を背負わせてはなりません」。
そのために、一人ひとりの大人たちが何をすべきか、戦後70年を迎えた今、考えていかなればならないはずです。
2015年8月25日 父の七回忌命日に 細川 珠生
(この記事は、細川珠生氏の許可を得て、公式ウェブサイトから転載したものです)
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