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[久峨喜美子] 【日本よ、難民・移民問題を無視し続けられるか?】~対策に巨額投じるドイツに学べ~

Japan In-depth / 2015年9月12日 23時0分

移民・難民をめぐる歴史は、日本においてももちろん存在する。例えば1910年の日韓併合により強制労働等で日本に居住させられていた朝鮮半島出身の人々らが、戦後も帰国せずそのまま日本に残留したことはご存知の通りである。しかしその後彼らの多くが日本政府の帰還政策によって北朝鮮へ送られた事実はあまり知られていない。

80年代後半、ベトナム戦争でインドシナ難民が日本に救済を求めたときも、政府は彼らの受け入れに消極的な姿勢をとっていた。最終的に難民を受け入れたものの、その政策は一時的なもので、国連の安全保障理事会常任理事国入りへの野心と国際社会での体裁を保つための政策であったと複数の有識者は見ている。その後90年代に入り、難民や移民の受け入れについてほとんど議論する間もなく、日本は「国際貢献」という名の下、「外国人研修生」という一時的な就労ビザを導入することで安価な労働力を短期的に補填するというやり方を繰り返している。

第二次大戦後以上の人の移動が起こり、ビザという障壁があるとは言えより自由に居住地を選び生活をすることが当たり前になっている現代で、あとどれだけ日本が難民・移民問題を無視し続けられるのだろうか。そうした現代社会において、民族的同一性に固執した政策にこだわること自体ナンセンスなのではないだろうか。

2020年東京オリンピックの建設ブームを前に、外国人研修生や技能実習生枠を増やすことで安い労働者を補う日本の政策に対し世界中から非難を浴びている今、欧州各国の「他者」に対する姿勢から日本が学ぶ事は多い。

*文中写真:オックスフォードで開催されたイギリスで最初の難民キャンペーンの様子。/(Refugee welcome campaign)のFacebookページより

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