[宮家邦彦]【安保関連法案、今週にも採決】~成立後は“運用方法”を考えよ~
Japan In-depth / 2015年9月15日 7時0分
今週は新安保法制法案の採決があるかもしれない。主要紙は「参院平和安全法制特別委員会のこれまでの審議時間は約93時間となり、衆参両院の審議を合計すれば約209時間、1992年のPKO協力法の約193時間を超えた」と報じた。
何とバカな、法案の重要性を審議時間で計るのか。そもそも法案審議は30-40時間もあれば質問は出尽くす。今回は議論の多くが「違憲論」に費やされたので、個々の重要条文の議論が尽くされたかは疑問だが、それは質問者の質の問題だろう。
修正があるかないかは知らないが、法案が国会を通った後は仏像に魂を入れる作業が始まる。専門家が最終条文や付帯決議に基づき粛々と運用方法を考えていくしかない。それが民主主義というものだろう。
〇欧州・ロシア
今週もギリシャ財政は火の車だ。14日と16日に3億、6億ユーロの対IMF返済期限が来た後、20日に総選挙がある。与党急進左派政権は難民問題等をめぐり最大野党NDや極右政党の猛追を受けているという。結果は今後の欧州を占う上で興味深い。
14-15日にはタジキスタンで旧ソ連構成共和国による安全保障・領土保全を目的とする集団安全保障条約機構(CSTO)の外相・国防相会議が開かれるが、これには何とプーチン大統領も参加するらしい。やはりロシアには中央アジアが重要なのだろう。
〇東アジア・大洋州
15日に日中韓首脳会議に向けた準備会合が開かれる。15-18日にはベトナム共産党のトップが訪日する。15-26日にはフィリピンと豪州の陸軍が合同軍事演習を実施する。南シナ海をめぐる情勢には目が離せない。
21-22日に沖縄県知事が国連に出張するが、その前に同知事は辺野古埋め立て承認取り消しを決定する。一方、日本の外相は20日から訪露する予定と報じられた。どちらも見通しは明るくないが、もうオペレーションとしては止まらないのだろう。
〇中東・アフリカ
14日にウクライナの経済相がイランを訪れる。15日にはそのイランの外相が訪中する。しかし、最も気になるのは、ユダヤ教新年の直前の13日にエルサレムの神殿の丘でパレスチナ人若者とイスラエル警察部隊が衝突したことだ。大きな事件に拡大しないことを祈るしかない。
〇アメリカ両大陸 〇インド亜大陸
特記すべき事項はない。米大統領選はちょっと小休止だが、確か米国時間16日にCNN主催で共和党候補者による討論会が実施されるはずだ。
今週はこのくらいにしておこう。
いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
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