[細川珠生]【安保法案は戦争法案ではなく、戦争を抑制するためのもの】~内閣総理大臣補佐官衛藤晟一氏に聞く~
Japan In-depth / 2015年9月20日 18時0分
参議院議員で、内閣総理大臣補佐官の衛藤晟一氏を迎え、参院で可決したばかりの安保法制について聞いた。
長い国会審議を経て成立した平和安全法制だが、国民や野党からの反対は最後まで大きかった。衛藤氏は、「今回の議論は残念なことにレッテル張り、或いは一種の感情論やプロパガンダによって具体的な議論に入れなかった。総理も具体的な事例を挙げて説明しようとしたが、なかなか分かりづらかったのかもしれない。」と述べた。
民主党の幹部たちも、過去に集団的自衛権の一部容認については、議論の必要性について述べてきた。しかし、彼らが今回の議論では、平和安全法制は戦争法制だと言って反対し、本筋の議論が深まらなかったことを衛藤氏は指摘する。また、「憲法についても違憲だというばかりでどの項にどう違反しているかを明確に指摘した人はいない。」と衛藤氏は述べた。
平成の時代に入り、北朝鮮のミサイル防衛網ができた。これは昭和の時代にはなかった変化だ。しかし、今までの法律では、北朝鮮のミサイルから日本を守りに来ている公海上のアメリカのイージス艦が武力攻撃されても、集団的自衛権を一切行使できなかった。「もしこれを見過ごしていけば、日本の防衛システムが崩れてしまう。自衛のためにこれは最低限必要なことではないかということになってきた」と衛藤氏は述べた。また、衛藤氏は「日本防衛のための集団的自衛権」を強調し、「かつてはそういうことは考えなくてよかったし、実態がなかったが、今はある。」と述べ、日本を取り巻く状況の変化が、法案の成立が必要になった背景であることを説明した。
細川氏も、ソマリア沖の海賊に対する警護の際に、各国の船が船団になっている中で、日本の海上自衛隊だけが他の国の戦艦を守れないという例を出して同意した。衛藤氏は、平和安全法制について、「明らかにこれは戦争を抑制するためのもの。北朝鮮も手を出しにくくなる。」と強調した。
これまでは日本の存立が脅かされるような状況下でしか自衛隊は動けなかったが、本法案の成立で、日本に重要な影響を与える事態の際に、後方支援ができるようになった。「日本なりにできることもあった中で、法整備が追いついていなかった。」と細川氏は述べ、各国の期待に応えられるようになったという点で、法案の成立を評価した。細川氏は、「集団的自衛権を行使できる日が来るということには非常に感慨深いものがある。」と述べ、「国民ひとりひとりが日本の国を守るために、世界の平和のためにどんなことをしなくてはならないのかということを考えてほしい。」と訴えた。
衛藤氏を中心として、自民党は、安保法制に関する資料をHPで公開している。またチラシや冊子等も自民党本部や議員事務所で手に入れることができるので、それらを見て理解を深めてほしい、と衛藤氏は締めくくった。
(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2015年9月19日放送の内容を要約したものです)
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