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“倒産”の可能性はほぼゼロ VWディーゼル車排ガス規制不正問題4

Japan In-depth / 2015年10月1日 11時0分

ドイツも含め、欧州各国の労働組合は強く、政治にも多大な影響力があります。VWの大株主は、ポルシェ家であり、ピエヒ家であり、また地元の二―ダ―ザクセン州であり、ドイツ政府もドイツ銀行も株主です。元はと言えば、ヒットラーが作った国策会社がそのオリジンです。民族色が強く、ダイムラーやBMWと並んで、ドイツそのもの、という会社です。過去には、ダイムラーと三菱自動車の提携、VWとスズキの提携、VWとトヨタの販売提携(DUO店)、VWと日産のOEM生産提携(サンタナ)など、いろいろと提携・協力した案件もあったのですが、ことごとく失敗、ないしは当初の期待値まで行かなかったというのが実際です。


ドイツ企業と一緒に商売をする難しさなのかもしれませんが、一因はドイツ側の非常に高いプライドです。自動車とは、ドイツ人のダイムラーさんとベンツさんが発明したもの、それをアメリカ人のフォードさんが大量生産の技術導入で一般の人でも買えるようにした、これをまた日本人のトヨタさんや日産さんが、品質面・環境面・コスト面で洗練させて現在に至る、ドイツ人の自動車に対する典型的な考え方です。今回のVW不正問題は、そんなドイツの自動車の雄VWが、台数世界一というクラウンをつけ、名実ともに世界の頂点に立つ、GMでもない、トヨタでもない、ドイツのVWが世界一になる、そのためには台数を追うのだ、という点が最優先順位になったことで、意図的に不正を働かざるを得なかった、そんな背景の事件だったと思います。


トヨタが米国で大量リコールをした時も、販売台数の急拡大が一因、ホンダがフィットでリコールを連発、社長が辞任したのも、台数拡大に急ぎ過ぎたことが一因、背景は似ているのかもしれませんが、決定的に違うのは、VWの場合、意図的な不正であった、ということでしょうか。


(了。本シリーズ全4回、【VWショック、発端は米国】~VWディーゼル車排ガス規制不正問題 1~,【米の厳しいNOx規制が引き金】~VWディーゼル車排ガス規制不正問題 2~,【日本車メーカーへの影響は軽微】~VWディーゼル車排ガス規制不正問題 3~も併せてお読みください。)

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