[古森義久]【中国の日本バッシングは増す一方】~反日ナショナリズム扇動のわけ~
Japan In-depth / 2015年10月5日 11時0分
中国の「日本叩き」はどこまで続くのか。
習近平国家主席の訪米で改めて国際的な注視を浴びた中国の対外政策のなかでも反日の姿勢はひときわ顕著だといえる。その点に注目したオーストラリアのベテラン専門家がアメリカの外交雑誌に「中国の日本叩き(バッシング)」がどこまで続くのかを予測する論文を発表し、中国の日本敵視の姿勢は予見しうる将来、衰える気配はなく、増す一方だろうという悲観的な見通しを公表した。
この論文はワシントンのインターネット外交雑誌「グローバリスト」の最近版に習主席の訪米に合わせて発表された。筆者はオーストラリアの著名なアジア研究学者のジョン・ウェスト氏、「アジア世紀研究所」の所長でもある。
同論文は習政権が日本非難の言動を一段と強めてきたとして、その実例として中国政府による日本の平和安保法制関連法の推進や安倍晋三首相戦後70年記念談話に対する非難や警告を指摘した。同論文は中国のこの対日姿勢は日本が第二次大戦で軍事占領したアジア地域の諸国のなかでも例外だとして、その中国自身も1980年代末までは対日政策はそれほど敵対的ではなかったと述べた。
しかしウェスト氏の論文はこの中国の対日政策が1989年の天安門事件以後、とくに江沢民氏が国家主席となってから一気に険悪になったとして、その理由については「中国共産党の過去の日本軍国主義撃破を強調しての現在の統治の正当性の誇示」や「中国国民のナショナリズムの高揚での共産党政権支持の強化」などを指摘した。
同論文は現在の中国の反日ぶりについてはアメリカ学界で活躍する著名な中国人学者のミンシン・ペイ(中国名・裴敏欣)氏の「中国の官営メディアや歴史教科書は日本に関する大きなデマやゆがめを含む民族主義的な神話を中国の若い世代にあまりに多く注入してきた」という考察をも紹介している。
そのうえでウェスト氏自身は同論文の結語として「中国と日本が近い将来、真の友好関係を築くことへの希望はあるのか」という問いかけを提起し、「ノー」という答えを明記した。
そしてウェスト氏は次のような予測を打ち出すのだった。
「中国政府は反日プロパガンダに膨大な量の政治的なエネルギーを投入してきたことをみても、また中国の経済の停滞や政治統治の揺らぎをみても、反日ナショナリズムの扇動を減らすことはなく、逆に増す公算が強い」
(トップ写真はeverystockphotoより引用、photographer profile / Secretary of Defense)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日中首脳会談が開催。習近平政権が石破政権に歩み寄る三つの理由
トウシル / 2024年11月21日 7時30分
-
APEC首脳会議の習近平主席「トランプ氏再登場」を意識した言動目立つ
RKB毎日放送 / 2024年11月18日 14時57分
-
「安倍の敵」「対中融和」石破首相、トランプ氏と「1分も会えない衝撃」の面会断念 大丈夫か日米同盟 習主席からは〝秋波〟も
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月18日 11時52分
-
中国、石破首相の足元を見たか「米国べったりの岸田前政権よりは話ができる」
産経ニュース / 2024年11月16日 18時41分
-
中国の台湾戦略、そして尖閣戦略は その5(最終回) 中国の核の脅しと日本の麻痺
Japan In-depth / 2024年10月31日 17時0分
ランキング
-
1COP29 途上国支援「年46兆円」で合意 「目標額が少なすぎる」の声も
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月24日 11時43分
-
2イスラエル攻撃で約60死亡 レバノン首都など
AFPBB News / 2024年11月24日 11時41分
-
3中国・35人死亡の車暴走事件 私たちを取り囲み、映像を消せと迫った謎の「市民」たち
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月24日 7時30分
-
4「難民なんて全部ウソ」「働くため日本へ」川口の難民申請者の8割、トルコ南部3県に集中 「移民」と日本人 クルド人が川口を目指す本当の理由①(下)
産経ニュース / 2024年11月24日 14時5分
-
5大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言 警備強化
ロイター / 2024年11月24日 14時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください