[比嘉陽子]【世界最貧国誕生のからくり】~アフリカ“マラウイ”最新リポート 1~
Japan In-depth / 2015年10月19日 11時0分
アフリカという地域は、欧米諸国にその運命を翻弄されてきた。
アフリカ、インド、新大陸と、地球上の全ての土地が航海者達により発見され、先に産業発展を遂げた国々からの干渉を受け、独自の文化を保っていた少数民族でさえも外界に(侵略され)関係を持ち、グローバルな世界システムに組み込まれてしまった。
未開人は独自の文化を保ち独自の幸せを持つ、という神話はもう夢物語でしかない。「未開人(バーバリアン)」は、もうこの世の中に存在していないのだ。我々が、金と武力と勝手に作り上げた権力をもって、こちら側の世界に全てを巻き込んだ。こうして我々の世界は広がり、富める者は更に富み、都合よく搾取できる構造を作り上げていく。
新大陸が発見された時、アフリカは主にヒューマンリソースの供給源として奴隷産業が栄え、地場産業は衰退した。一方、三角貿易によって富を得たヨーロッパは経済基盤に支えられ産業革命を迎える。その後、奴隷の供給過多によって自らの就業機会が奪われていることに気付いたヨーロッパ諸国が奴隷制度の廃止へ動き出し、アフリカの価値は奴隷から資源へと移り、ヨーロッパ諸国は奴隷貿易の玄関口である港から大陸の内部まで進んでいく。こうして、イタリア軍を破ったエチオピア以外のアフリカ諸国は、ヨーロッパに分割支配されることになる。
(本シリーズ全3回。
【変動相場制に翻弄される世界最貧国】~アフリカ“マラウイ”最新リポート 2~
に続く)
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