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[林信吾]【ロンドンのJJエリアを知っていますか?】~ヨーロッパの移民・難民事情 その4~

Japan In-depth / 2015年10月22日 11時0分

ところが1990年代から、様相が変わり始めた。日系企業の駐在員たちがJJエリアを離れ、別の沿線に住むようになったというのである。そういうことになった理由は、簡単だ。

それまでゴールダーズ・グリーンと同じ沿線のハムステッドという街にあったロンドン日本人学校が、1987年に西部のアクトンに移転したのである。折からのバブル景気で、日本企業が海外進出ラッシュの様相を呈し、家族ともども赴任してくる人が増えた。その結果、今までの校舎が手狭になったというのが主たる理由であったと聞く。企業駐在員達が西部に多数移った理由は、もはや多言を要しないだろう。家を選ぶ際、子供の通学事情を考慮しない親などいない。

つまり、移民がまとまって住む傾向があると言っても、本当のところ、それは結果に過ぎないのではないか。文化とか国民性といったことではなく、もっと現実的な理由で、便利なところに人が集まったのではないか。未だ早計には言われないことだろうが。

ここでひとつ言っておきたいのは、日本人も海外に出ればガイジンなのだから、国内でも「よそから来た人」には、もっと寛大であらねば、ということだ。

(この記事は
【“移民”なくしてロンドンなし】~ヨーロッパの移民・難民事情 その1~
【スポーツと政治と移民問題】~ヨーロッパの移民・難民事情 その2~
【ユダヤ人問題は“いじめの構造”】~ヨーロッパの移民・難民事情 その3~
のつづきです)

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