[細川珠生]【女性や高齢者が活躍できる新しい社会作り】~厚生労働副大臣 渡嘉敷奈緒美氏に聞く~
Japan In-depth / 2015年10月31日 23時0分
厚生労働副大臣に就任した渡嘉敷奈緒美氏を招き、副大臣としての今後のビジョンを聞いた。
もともと化粧品会社で働いていた渡嘉敷氏。自らの経験の中で、「女性は、子育ての時期や介護の問題等、周りに影響を受けながら、自分で仕事をしなければならない環境にある。」と感じたという。「女性の人生に寄り添っていくような働き方の選択の幅をいかに増やしていくかが、これからの労働行政に必要。」と語った。
子育て支援も担当する渡嘉敷氏は、格差の問題にも言及した。「子育ての一人親の女性が経済的に追い詰められていくことが沢山ある。その部分をどういう風にサポートするかが課題。」と語り、格差の是正に意欲を示した。
女性活躍推進は安倍政権の政策の大きな柱となっている。「活躍できる機会、昇進してやりがいを持った仕事ができると楽しみにしている女性が多くいる一方、子育てや介護でそこまではできないという女性もいる。」と細川氏。渡嘉敷氏も同意し、「それぞれの価値観が昔とは違い、多様性が出てきている。労働行政は昔よりも柔軟性を求められる時代に変わってきている。省庁では『女性はこう思っている』とパターン化してしまう傾向にあるが、そこを崩していくのが役割なのではないかと思う。」と話し、様々な選択ができる社会の重要性を訴えた。
女性の活躍と同時に、元気な高齢者の活用も社会にとって大きな課題だ。渡嘉敷氏は、元気な高齢者が活躍できる社会の成功事例を作ろうと、地元・大阪の吹田と摂津で新しい街づくりを計画しているという。「お年寄りに積極的に街中に出てきてもらって、経済の一翼を担ってもらい、生きがいを持ってもらう。年をとってもその気になれば、社会と接点が持てる街を作ろうとしている。」と述べ、具体的には、国立循環器病研究センターを駅前の更地に移し、3年でコンパクトシティを作る計画を明らかにした。
渡嘉敷氏は「健康、(特に)循環器の病を減らしていくことをテーマに街全体を作っていくことを考えている。」と述べ、「病気にならないようにする街づくり」を掲げた。「日本は、世界で一番高齢者が多い。健康で長生きできるノウハウを持っている。日本から発信される情報は、世界ではものすごく価値がある。」と述べ、それを買ってもらえるように研究開発していく構想を明らかにした。
今までは医療機関が主役であったが、新しい街では、一般の市民にも勉強してもらって循環器病を予防してもらうという。ノウハウを身につけたところで、食事と運動のバランスを体験してもらい、一緒に体験する仲間を募っていく。例えば「一人でふらっときても、必ずお仲間がいる。一緒に走ったりするだけで、一生懸命になれる。」と話し、仲間同士で健康を高め合う街づくりの構想について語った。最終的には観光地も目指しているという。3年後のオープン、どのような形に仕上がるのか楽しみだ。
(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2015年10月24日放送 の内容を要約したものです)
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