[細川珠生]【憲法改正にチャンス到来】~日本大学法学部教授 百地章氏に聞く~
Japan In-depth / 2015年11月9日 11時0分
日本大学法学部教授の百地章氏を迎え、憲法改正について聞いた。
安保法制の議論の際には、憲法違反という意見があった中で、憲法違反ではないということを参考人として国会で発言した百地氏。憲法改正に関して、安倍総理にはかなり強い思い入れがある。細川氏は、「安保法制ができても、なかなかその先の憲法の議論にならない。」と憲法改正が進まないもどかしさを語った。
憲法改正が必要な理由として、まず百地氏は、戦後70年の変化と憲法のギャップを挙げた。現行の憲法ができて70年。「70年経っているので、色々なところで現実とのギャップが生じている。」と百地氏は述べ、諸外国ではギャップが生じた際には、憲法改正するというのが当然の常識だと指摘した。
実際、ドイツでは戦後59回改正しているという。百地氏は、「国家のために憲法があって、憲法のために国家があるわけではないので、改正していく。日本では、むしろ憲法に国民生活を合わせるべきだといういびつな議論がある。」と問題点を指摘した。
もう一つの理由は、現行憲法は占領下でGHQによって作られたものであることだ。「日本が主権独立国家としてこの国を立て直すためにもう一度見直す必要がある。」と百地氏は述べ、細川氏も「自分たちの手で憲法を作るという当たり前のことをすればいいだけ。」と同意した。
憲法改正が進まない理由の一つには、国民が9条の改正を極端に恐れていることが挙げられる。百地氏は、「平和安全法制にしても、反対派が、『法律が通ったら日本が戦争をする』というレッテル貼りをして、国民も不安になった。ただちに9条を改正するのはなかなか難しいだろう。」と述べた。
では、どこから憲法改正に手をつけるか。百地氏は、「国民の心を動かすようなテーマでなければ、国民投票は難しい。」と述べ、基準として①国家の根幹にかかわる大切なテーマであること、②緊急性を要すること、③国民にわかりやすいテーマであることの3つを挙げた。
具体的には「緊急事態条項」が当てはまる。例えば、首都直下型地震が発生して、国会が召集できない事態の対応を定めた規定が憲法にはない。法律も十分ではない。緊急事態には内閣の命令で、対策を講じて、あとで国会の承認を得る「緊急命令」を多くの国で採用している。明治憲法でも同じ規定があったが、現行憲法にはそれができない。百地氏は、「国家として最大の欠陥の一つだと思っている。先進国で緊急事態制度を認めていない国はない。」と述べ、重要性を強調した。
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