1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

[林信吾]【仏同時テロ:テロリズムの真の元凶とは】~ヨーロッパの移民・難民事情 特別編(下)~

Japan In-depth / 2015年11月16日 23時0分

こういうことを書くと、だったら移民や少数民族に対する、いわゆる「ヘイトスピーチ」のごとき行為も、言論の自由ではないか、と言い出す人がいるのだが、それも違う。

これまた、日本の言論状況になぞらえれば分かりやすい。韓国料理を食べて、
「こんな辛くて臭いもの、よく食えるな」というところまでは、味覚の問題であって個人の自由であろう。ただ、「こんな辛くて臭いものを食べてる人間は信用できない」と言ってしまったら、それは偏見である。まして偏見に基づいて社会的な差別を正当化することなど、許されてよいはずがない。日本人が常食している食べ物だって、外国人が見たら相当に気持ち悪いものが結構あるのだから。

さらに言えば、お互い言いたいことを言い合って、時にはケンカもするというのが、本当の意味での共存ではあろうけれども、言論に暴力で応じたらオシマイである。

お分かりだろうか。今次のテロに対して、やっぱり日本は難民を受け容れるべきではない、と考える人がもしいたら、それは誤りなのだ。

差別や偏見こそが、若者をテロに走らせる真の元凶であり、逆に言えば、マイノリティに対して寛大な社会を築くことこそが、テロリストの大義名分を失わせるという意味で、最善のテロ対策なのである。

(本シリーズ全2回。この記事は
【仏同時テロ:キリスト教国としての悩み】~ヨーロッパの移民・難民事情 特別編(上)~
の続きです)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください