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[林信吾]【戦国・江戸・明治時代のXマス】~クリスマス特別編(下)~

Japan In-depth / 2015年12月24日 11時0分

大部分というのは、長く潜伏している間に教義が変質し、明治になってもカトリックに復帰することをよしとしない人々がいたからで、彼らは現在に至るもカクレキリシタンと呼ばれ、独自の信仰を守っている。全てカナ表記することになっているそうだ。

話は変わるが、1896(明治29)年、正岡子規が『寒山落木』という歌集を出版し、こんな句を掲載した。

「八人の 子供むつまじ クリスマス」

これにより、クリスマスが俳句の冬の季語として認められたという。今ではスキー、スケート、ストーブなども認められているが、ご承知のように俳句は五・七・五の形式なので、クリスマスが一番しっくりくるように思う。俳句に疎いので、断言はしかねるが。

非キリスト教国である日本で、クリスマスがこれほど盛り上がっているのを見て、違和感を抱く在日外国人も少なからずいると聞いたことがある。たしかに、教会に足を運ぶことなくクリスマスを祝い、その数日後には神社に初詣に行く日本人の宗教観は、特異と言えば特異なのだろう。

しかし、私はあえて「これでいいのだ!」と言いたい。前記事(上)を読んでいただければ分かるように、クリスマスにせよハロウィーンにせよ、最初からキリスト教の信仰に立脚した宗教行事であったわけではない。布教のための方便(この方便というのも、仏教用語だが)として、古来の祭りを教会が取り込んで行っただけなのだ。もともと多神教の日本でさらに変質するのは、別に不思議なことではない。

それと、もうひとつ。イスラムの、偶像崇拝を排する教義に凝り固まって、バーミヤンの仏教遺跡を爆破したような連中に比べれば、外国からもたらされた宗教行事であろうが「いいとこ取り」をして楽しむ日本人の方が、ずっと健全だと、私は思うのである。

(この記事は
【Xマス、実はイエス・キリストと無関係?】~クリスマス特別編(上)~
の続きです。全2回)

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