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[Ulala]【女性のホームレスが増える国、日本】~特集「2016年を占う!」女性の貧困~

Japan In-depth / 2015年12月26日 23時0分

だが反対にその事が功を奏して、日本では女性のホームレスが少なかったのではないだろか?大多数の女性が「家庭」と言う場にいることが普通で、それだけではなく離婚などで家庭を離れても、実家に帰るなどの「親族に世話になる風潮」がセイフティーネットとなった。また、生活に困ったら、住み込みや寮の完備された職(旅館の接客係や水商売など)があったり、男性と比べて仕事に付きにくい女性は福祉制度を利用しやすくなっていたり、ということも理由に挙げられるだろう。

その後、経済が発展し女性でも男性と肩を並べて働ける仕事も増えたが、「サポートしてくれる妻がいる家庭の男性モデル」とも言える働き方が正社員の標準とされてしまっていたため「サポートしてくれる妻」を持てない多数の女性は、結婚したら仕事を辞めざるを得なかったり、出産後は正社員にはとどまれず、非正規労働者への道を歩むことが多かった。そしてそういった仕事は「家計補助」的な収入を目的とされていたため、女性は、サポート作業を主な仕事とし、男性に比べて低い賃金で働くこととなる。

しかし、経済が不安定になり、従来の稼ぎ手と主婦で構成された家族体系が作れない男性も増加。結婚したくてもできない男女が増えたり、結婚しても共働きで家計を支えたりする形態に変わった。そうやって女性の社会進出が一般的になると、今度は貧困に苦しむ女性が目立つようになったのだ。

欧米と比べて日本は、仕事自体見つけやすいが、「家計補助」的な仕事で働いても、「家計維持」できる十分な稼ぎを得ることができない。そういった仕事では、働いて自立しようとしても女性が貧困になるのは当然なのだ。「単身女性の3人に1人が貧困」と言う事実は、大きな衝撃を与え「貧困女子」なる言葉も生み出された。それと伴い、ホームレス全体の数は年々減っている中、女性のホームレスの数は増えていった。

しかも確かに厚生省の調査では女性のホームレスの数はそれほど多くはないように見えるが、この調査自体「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者」を限定しているため、路上生活の危険から回避するためにネットカフェなどに寝泊まりする女性の数がカウントされていない。こういった「実態は家がないホームレス」も数えれば、日本の女性のホームレス数は実は、もっと多いだろう。

ということで、女性のホームレスは2016年も増え続けると考える。女性が適切な賃金で、女性のライフスタイルに合わせて働ける環境整備はほんとうに急務であり、学校教育でも、女性の自立を目的とする教育の強化をもっとしていくべきなのだ。

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