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[清谷信一]【納税者も驚愕、陸自衛生学校体育館狂騒曲 その4】~「謝礼は互助会等から支出】の不思議~

Japan In-depth / 2016年1月8日 7時0分

[清谷信一]【納税者も驚愕、陸自衛生学校体育館狂騒曲 その4】~「謝礼は互助会等から支出】の不思議~

こうした集金に伴う金銭トラブルの事件が相次いだことから、隊員の自発的な参加による互助会的な資金の運用について厳しく管理されるようになった。

この回答で言う互助会等とは、正規の手続きにより設立された、参加する隊員に規約が文書で説明され、然るべき管理がなされている組織なのだろうか。この互助会等の設立の承認は誰がしたのだろうか。隊員に個人のお金を出させる上で、任意の入会および出資と謳っているものの、実際は半強制ではなかったのか。任意といっても上司から払うように勧められれば断ることは難しい。パワハラの疑いを持たれても仕方あるまい。

実際自衛隊では2つの生命保険会社の保険に加入することを部隊長から勧められるが、例えば連隊長から「君なぜこの保険に入らないの?」と問われて、断れる隊員がどれだけいるだろうか。この2つの保険会社が将官の天下り先であることは言うまでもない。

本来自衛隊が払うべき謝礼なのにそのギャラは、「自衛隊中央病院長の娘」に互助会等で「集金」された金が「有志の善意」として支払われたわけだ。常識的に考えて不自然だろう。

全国にある互助会的な組織として、幹部による「修親会」、陸曹による「曹友会」があり、機関紙まで発行しているものがあるが、課業中に互助会としての活動をすることが無いよう、国費を用いる「課業」とこれらの「活動」は区分されているはずである。

回答に「謝礼に関しては、互助会等が支出していることから、金額、名目及び領収書について我々としては回答できません。謝礼に対する源泉徴収は、国費を使用していないため、我々としては回答できません。」とあるが、互助会的なお金を用いる行事、または一部の金額を充当する行事を課業中に行うことは許されるのだろうか。

もし、そうであれば、隊員の自発的な集金により、勤務時間に何をしてもいいし、そのことについて何も開示しなくてもいいことになる。互助会が払おうと、公的な儀式に民間人のプロの演奏者を呼び、その謝礼を払ったのだ。やましいカネでないならば、陸幕は互助会にその明細の開示を何故要求できないのか。これまた陸幕の回答が怪しいと思える理由の一つだ。

国民から武器を運用することを任されている組織として、このような不明朗なカネの流れは大変危険なことではないか。外部からあらぬ疑いを受けぬように、また規律の維持のために指揮系統に従って計画と命令を根拠として、勤務時間中に国費を用いて行事を行なうのであって、その会計記録についても開示することとなっている。衛生学校は互助会の謝礼支払いについてもその明細を明らかにする責任があるはずだ。

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