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夢を売るビジネスに挑戦する男(下)~プロ野球選手のセカンドキャリア その3~

Japan In-depth / 2016年1月10日 14時29分

「それならば、俺と一緒に新天地で頑張らないか?」

同じく、外食産業内でのキャリアサポート業に限界を感じていた川口は、スポーツを支援し続ける不動産業の日本リアライズ(株)に、転職を決めていた。

社長の大橋孝行は、20代のときボクシングに没頭していた。「今、成功しているのもボクシングで反骨心が養われ、頑張れたから」。大学卒業後は、(株)リコーでトップセールスマンとなりその後、不動産業に転職、役員に昇進。37歳で日本リアライズ(株)を起業した。成功を収めた現在、アスリート・セカンドキャリアサポートの事業拡大に動く。川口、和田の力も一目で見抜き、採用している。



「私たちは、人生をサポートする仕事を請け負っている。元プロアスリートの就職、ライフプランニングまでサポートしていく」

ボクシングへの恩返しの1つの方法だとも、大橋は言う。多くのプロボクシング選手を輩出している大橋ジムのスポンサーでもある。

力を買われた和田も、今は仕事が楽しくて仕方がない。

「お客様にとって家を買うことは、一生に一度あるかないかのこと。その場に立ち会えることは、何より嬉しい」

目標はひと月一軒の契約を決めること。社内でもその実績を成し得た者はいない。大きな目標が常に和田を奮い立たせる。野球でも、どのようなビジネスでも、大きな目標を持って邁進することは、何よりもその人間の人生を煌めかせる。

バットやグローブをパソコンに持ち替えても、男たちの熱い思いは、尽きることはない。そして、野球を通しても、家を売ることでも、人々に夢を与え続ける。
(文中敬称略)

(この記事は、【夢を売るビジネスに挑戦する男(上)】~プロ野球選手のセカンドキャリア その3~ の続きです。全2回)

トップ画像:日本リアライズ(株)のワンフロアは全て社員のためのジム。大橋(写真右端)や和田(同左)もここで鍛える。©神津伸子

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