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[上野きより]【アフリカが熱い!人類に残された最後の成長大陸】~特集「2016年を占う!」アフリカ経済~

Japan In-depth / 2016年1月14日 11時0分



この成長現象はエチオピアだけにとどまらない。ケニアでもモザンビークでもアフリカ中で道路、橋、ダム、送電線、風力発電などのインフラが次々と整備され、町の風貌、人々の生活が一変している。

この成長・発展に特徴的なのは、そのスピードが非常に速いことだ。そして、この経済成長に伴う社会の変化のペースが、日本が“奇跡の成長”と呼ばれるものを体験した1950-1970年代よりもはるかに速くなっているだろう。あっという間に砂利道がアスファルトのハイウェイに変化し、スラムのような家屋が次々に高層ビルに変貌。インフラだけではない。スマートフォンのSIMカードもマイクロからナノへ、スムーズに移行しているし、ノキアの携帯電話を使ったモバイル・バンキングやスマートフォンやパソコンを使ってのインターネット・バンキングも今では日常のこと。特に都市部ではスマートフォンを持つのは当たり前で、多くの人々がソーシャルメディアを日常的に使用している。これによりそれぞれが自由に世界中とつながれるようになっている。

こうした状況を目の当たりにするたびに、今は古びたトヨタ中古車(エチオピア人は日本車が大好きで高い信頼を置いている)を運転している人たちが圧倒的だが、人が運転するハイブリッド車の時代をスキップして、そのうち無人運転の電気自動車が走り出しているかもしれない、などとも思えてくるのである。

「電車が通り、とても嬉しいし、とても誇り高い」と言うのは、アディス・アババのライト・レールの駅で電車を待っていたエチオピア最大の商業銀行、エチオピア商業銀行で働く20代の男性ビルク・メンギストさん。「この国も、この町も、これが必要だった。これからもエチオピアはどんどん成長していくだろう」と誇らしげに語る。

2016年―。“アフリカ=遅れた大陸、困った大陸、問題だらけの大陸”、という見方から脱し、この人口10億人のアフリカにおける、新たな可能性を見出す必要があるだろう。

*トップ写真:昨年9月に開業したエチオピア発のライトレール。全長32キロでアディス・アババを走る。©Kiyori Ueno

*文中写真:ライトレールの駅で電車を待つ子どもたち。©Kiyori Ueno

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