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割れた沖縄の“民意”の意味~宜野湾市長選、安倍政権支援現職勝利~

Japan In-depth / 2016年1月26日 11時29分

割れた沖縄の“民意”の意味~宜野湾市長選、安倍政権支援現職勝利~

宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)


「宮家邦彦の外交・安保カレンダー(2016年1月25-31日)」


今週は先週末の沖縄宜野湾市長選に注目したい。たかが一地方の市長選と侮る勿れ。選挙結果が東アジアの安全保障に大きな影響を与える可能性は十分あったからだ。同選挙では現職市長が2万7668票で再選され、県知事が強力に支援した対立候補は6000票近い大差で敗れた。この事実を我々は如何に解釈すべきか。

違和感を覚えるのは本邦各紙の「民意」に関する報道ぶりだ。ある県議は「直近の『民意』を失ったのは事実。これまで通りに辺野古反対を訴えるのは難しくなった」と。これに対し、名護市長は、「今回の結果で宜野湾市民が辺野古移設を認めていることにはならない」と述べた。どうやら移設反対派の中でも意見は割れているらしい。

今回の選挙結果により、「民意」は変わったのか。答えはYesであり、Noでもある。今回明らかになったのは宜野湾市長が同市有権者の多数の支持を得たこと。同時に、辺野古移設反対を唱えた対立候補が敗北したこと。この二つだけだ。だとすれば、少なくとも、県民の意見が反対(ないし賛成)に収斂しているとはとても言えないだろう。

これまでの移設反対派の勝利は別の選挙区での別の有権者によるものだ。これらを単純比較の上「民意」を云々しても、あまり意味がない。その点は賛成派も反対派も同じだ。もう一点指摘したいのは、どこの国でも、中央政府と地方自治体で役割が異なることだ。これだけは全ての関係当事者が受け入れるべき基本原則だろう。

 

○欧州・ロシア

今週はイランが欧州に対する外交攻勢を強めている。大統領が25-26日にイタリアを、27日にはフランスを訪問するからだ。核関連合意が成立し、イランは積極的に欧州諸国との関係を深めようとしている。どうやらこれに対しては、サウジもイスラエルも、全くなす術がないようだ。

〇東アジア・大洋州

今週は米国務長官がアジアを歴訪する。25-26日にラオス・カンボジアを訪問した後、27日から北京に入るようだ。あまり愉快なことではないが、恐らく米中は、北朝鮮からシリア、イスラム国、インド・パキスタン、ウクライナに至るまで広範な意見交換を行うはずだ。日本外交は米中に「外されない」よう、注意深くフォローすべきである。

〇中東・アフリカ

今週中東で気になるのはエジプト情勢だ。25日にムスリム同胞団が2011年革命5周年の抗議行動を予定している。これに対し、カイロの刑事裁判所は31日に同胞団のモルシー前大統領らによる(カタルに対する)国家機密情報漏洩問題について裁判を再開するらしい。やはり、エジプトは何一つ変わらない、悠久の王国なのだろうか。

〇インド亜大陸

〇アメリカ両大陸

今週は両大陸とも静かなようだ。米国で大統領選が動くのは2月1日のアイオワ州党員集会から、今週はCNNで民主党のTV討論会がある。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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