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民間より高い「特養」に閑古鳥 その1〜行政の見通しの甘さ露呈〜

Japan In-depth / 2016年2月9日 7時0分

民間との競合にあたっては、特養の利用料金や制度の縛りなどがネックにとなったようだ。全室個室の新設特養の料金は月12万〜13万円。4人部屋の従来型特養(月9万〜10万円)より高い。これに対して、例えば行橋市内のある住宅型有料老人ホームは家賃や食費、光熱費など全て込みで月7万8000円。入居者は併設された系列の介護事業所などで介護サービスを受けるが、利用限度額を目いっぱい使っても要介護3ならば自己負担額は3万円未満。合計すると特養より2〜3万円も負担が少なくて済む。しかも、民間施設の多くは街中につくられている。

こうしことから今川河童苑のみならず、14年4月に開設した同タイプの新設特養も入所者集めに四苦八苦したという。何とか定員を満たしてオープンしたものの早くも空きが出ている状態だ。今川河童苑の西本顧問は「(入所者を市民に限定する)地域密着を外してもらいたい」と訴える。入所希望者の懐具合やニーズなどを考慮せずに、個室型や地域密着型の特養をつくった誤算といえなくもない。

( 民間より高い「特養」に閑古鳥 その2〜介護職員確保が最優先〜
に続く。本シリーズ全2回)

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