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衝撃!「水素社会」は来ない その2

Japan In-depth / 2016年2月11日 21時54分

水素があれば燃料合成ができる。水素と二酸化炭素と熱があれば、FT法その他で燃料が合成できる。二酸化炭素と熱は高炉やゴミ工場から入手できるし、その場合は二酸化炭素排出量から差し引くこともできる。

また、水素は低質油の改良にも使える。今ではあまり需要のない重油に水素を接触させることでガソリンや軽油といった軽質油に変えるものだ。

さらにバイオ燃料製造にも使える。植物油脂は水素を添加することで柔らかくなり、ディーゼル・エンジンやジェット機を含むガスタービンには利用可能となる。オーランチオキトリウムやボトリオコッカスといった藻類由来の油(実際は大分子量のワックス)も、分解の上で同様に水素添加すれば同じ製品をつくることができる。

無理に水素を水素のままで使う必要はない。液体に燃料に変え、今の物流網に流し込んだ方が効率はよい。実際に今のガソリンや軽油、航空燃料には合成・改質油やバイオ燃料も混ぜられている。面倒な水素供給網を作るよりも、そちらのほうが手っ取り早く安価ですみ、事業倒れのリスクも少ないのである。

(衝撃!「水素社会」は来ない その1の続き。全2回)


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