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帰趨を制する“一言の重み” 米大統領選クロニクル その2

Japan In-depth / 2016年2月21日 23時0分

案の定、フォード氏はこの的外れ発言を各方面から非難され、人気を急落させていった。常識水準の国際情勢知識もないのだという非難が噴出したわけだ。その背景としてフォード氏が大統領選挙の試練を経ないで大統領になったという特殊な経歴までが批判された。

フォード氏は長年、連邦議会の下院議員を務め、共和党の院内総務だった1973年10月、時の共和党政権のスピロ・アグニュー副大統領がスキャンダルで辞任した後にリチャード・ニクソン大統領からの指名で副大統領ポストに就いた。その翌年の1974年8月にはそのニクソン大統領がウォーターゲート事件で辞任したため、自動的に大統領になってしまったのだ。

とにかくフォード氏の「ソ連は東欧を支配していない」という意味の発言はその後の選挙戦で「致命的な打撃の一言」とされた。大統領選挙のプロセスでの候補者たちの一つ一つの言葉にはそれほどの重みがあったわけだ。

そんな状況とくらべると、いまの選挙戦ではトランプ氏などは暴言、放言の連続である。キャンペーンがまだ予備選であって、本番選挙ではないこともあろうが、全体の傾向として候補者の個々の発言への点検がすっかり緩んでしまった印象である。

だがそれでも最終的な1対1の対決での討論ともなれば、なお候補者の個々の言葉の中身が選挙の帰趨を分けることもある。自明ながら選挙と言葉はやはり切り離せないということだろう。

(「気化」するか、トランプ人気 米大統領選クロニクル その1 の続き。ブッシュ王朝の落日 米大統領選クロニクル その3 に続く)

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