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大丈夫?マイナンバーのセキュリティ 消費税という迷宮 その4

Japan In-depth / 2016年2月26日 11時0分

だとすると、充実した社会福祉を維持するための財源確保という、消費税導入、そして税率引き上げの大義名分とは、矛盾しないのであろうか。その議論は次回に譲るとして、今回は、M税理士がどうしてマイナンバー制度を「危険」と断じるのかに話を絞ろう。

まず、本当にエストニアの制度を参考にしているのか、という疑問を抱かれた向きもあろうが、これは、両国で発行されるカードの意匠が同一なのだから、一目瞭然である。かの国では番号が11桁であるのに対し、わが国は12桁だが、これも人口が2桁違うことで説明がつく。

問題は、エストニアの制度にあっては、番号の中に様々な個人情報が組み込まれており、日本の番号も同様である可能性がきわめて高いことだ。そうなると、エストニアにおける個人情報漏洩の危険性は日本以上なのか、と思われがちだが、案外そうでもない。番号を使って受けるサービスごとにPINナンバーを設定するなど、簡便にして効果的なセキュリティー機能が付与されているからだ。

そもそもこの国は、ウクライナと同様、ロシアとの間に国境問題を抱え、かつロシア系市民による反政府暴動まで経験している。その関係で、2007年にはロシアから大規模なサイバー攻撃を仕掛けられ(ロシア側は事実無根と主張)、オンラインのほぼ全てが機能停止したことまである。この教訓から、セキュリティーもまた世界最高レベルなのだ。

エストニアではすでに、総人口130万人に対して、100万枚以上のカードが発行されている。比較的安いコストで国民の情報を一元管理できるという、電子政府の利点にばかり目を奪われ、その情報の安全をいかに保つかが、はなはだ心許ないわが国のマイナンバー制度は、たしかに色々な意味で危険である。

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