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市民憩いの場、「滞在型図書館」とは

Japan In-depth / 2016年3月6日 0時39分

八千代市の中央図書館は、ICタグをフル活用した、本のセルフ貸出・セルフ返却だ。無論、予約した本のセルフ貸し出しも出来る。閲覧席は、勉強の為のスペース、個室利用、グループ利用と役割別に配置され、中高生が学習の場としても利用している。利用者が図書館で一日過ごすことができる、まさに滞在型図書館の代表格であった。


千代田区日比谷図書文化館は、なんといっても、洗練されたカフェとダイニングが特徴的。また、コンベンションホールや一部ネットで予約もできる有料の閲覧席があり、働く世代をターゲットにした、東京の中心部の滞在型図書館であった。


そこで今後の拠点図書館について、以下の4つを提案したい。



1. Free Wi-Fiと電源を整備し、パソコンを持ち込める席と、パソコン室を整備すること。


2. セルフ貸出・返却・予約本の受け取りを可能にし、人件費を削減する為に、ICタグを導入し、フル活用すること。


3. 閲覧席を増設し、時間制、ネット予約可、有料自習室、中高生の学習室、個室、グループ使用など、様々な用途で使用できるようにすること。


4. 渋谷の森の図書室のように、飲み物を楽しみながら本を読むことができるようなカフェを併設し、憩いの空間を提供する図書館を設立すること。



また、他区ではすでに地域図書館はすべて指定管理者による運営になっている自治体も多く、中央図書館もそのようになっていく傾向がある。そうした中、現在、世田谷図書館は工事中、梅丘図書館は基本構想策定中であるが、今後、図書館建て替えの際には、民間のノウハウをできるだけ活用すべきだろう。


図書館に行かずとも本を借りられる「電子図書館」


機能別図書館の3つ目は電子図書館だ。今後、図書館の柱の1つになると考える。


電子図書館とは、電子書籍をインターネット上で貸し出す図書館で、図書館に行かずとも本を借り、iPadなどにダウンロードして読むことが可能となるものだ。蔵書スペースを気にしなくていいので、従来の図書館と比べ、はるかにたくさんの書籍を保管できる、また、本の劣化の心配もないので、古い地図や貴重な歴史資料などの保存、維持もできる、紛失や延滞防止にもなる、高齢者や障害者への配慮もできるなどのメリットがある。


一方、デメリットとしては、出版社の理解も必要で、全ての本が必ずしも電子化できるわけではないことが挙げられる。しかし、アメリカや韓国では公共図書館の約六割は電子図書館だ。又、これまでは電子書籍の提供に消極的だった大手出版社が積極姿勢に転じていることは追い風だ。


民間のシンクタンクの調べによると、電子書籍元年である2010年の市場規模は656億円、2014年は1266億円と4年で倍に伸びており、2019年には2900億円にまで成長すると予測されている。そうした中、公共図書館における不正防止のセキュリティーが整備されれば、電子図書館も今後増えていくと考える。世田谷区も千代田区のWeb図書館のように、電子書籍ならではの特徴を生かして紙媒体との役割分担を考えながら、電子図書館を開設したい。


トップ画像:中央図書館(引用 「世田谷区立図書館ビジョンの概要」よりキャプチャ)

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