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iPhoneは全て暗号化、ではアンドロイド携帯は?

Japan In-depth / 2016年3月6日 23時0分

iPhoneは全て暗号化、ではアンドロイド携帯は?

 岩田太郎(在米ジャーナリスト)

「岩田太郎のアメリカどんつき通信」 

米グーグル、アマゾン、マイクロソフト、フェイスブック、ツイッターなど世界のIT大手30社以上が、米連邦政府のiPhoneロック解除命令に抵抗するアップルへの支持を次々に打ち出し始めた。

オペレーションソフトのiOS 8以降が搭載されたアップルのiPhoneはすべてデフォルトで暗号化されており、建前上は政府でも技術的にアンロックできないということになっており、暗号化の是非をめぐる議論が高まっている。

このようにアップルのiPhoneのロック解除が世界の関心を集めるその最中、米アマゾンが同社製タブレットや携帯端末に使っているFire OS 5から、ユーザーに知らせることなく暗号化機能を密かに削除していたことが問題になり、慌てたアマゾンが暗号化機能を再実装することを明らかにした。

ここで、一つの疑問が浮かぶ。世界の携帯市場でiPhone以上のシェアを誇るアンドロイド携帯は、どうなのだろうか。アンドロイドにも暗号化のオプションはあるのだろうか。ちなみに、アマゾンのFire OSはアンドロイドをベースに開発されたOSである。多くのアンドロイドのアプリも使える派生OSだ。

実は、グーグルが開発したアンドロイドOSにも暗号化機能は実装されている。だがiPhoneと違い、暗号化するかしないかはユーザーの選択にゆだねられている。このため、実際にはアンドロイド携帯の全体の35%しか暗号化されていないという。

また、起動前から暗号化が保護を提供するiPhoneに比べ、アンドロイドはスクリーンロック解除後にしか暗号化の保護が使えない。さらに、顧客がOSのアップグレードをある程度自由に選択でき、古い機種でも頻繁に最新のアップグレードを受け取れるiPhoneと違い、アンドロイド機の顧客は頻繁かつ自由にアップグレードを行えないため、セキュリティーレベルが低いと言われている。

アップグレードの自由を奪われた顧客は、OSの制御を奪い返す「ルート」というやり方を使えば、アンドロイドOSをアップグレードできるものの、最近の機種ではルートをさせない強力な機能がついた機種が増えている。安全性を担保するためのOSアップグレードはさせず、暗号化もオプションに過ぎない。

アンドロイド搭載スマホのメーカーやキャリアが自社の都合を優先して、顧客に自分の端末を自由にコントロールさせないようにする、強い意志が感じられる。当然、顧客の端末の暗号化にも、力が注がれていない。

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